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子連れウェルカムのカジュアル客船として知られる「MSCベリッシマ」。日本発着クルーズのなかでも、ゴールデンウィークや年末年始の長期休暇、そして冬期に配船される那覇発着のショートクルーズなど、ファミリー層から高い人気を集める一隻です。

筆者は生後7か月の娘を連れて乗船しました。クルーズ旅行は子連れにやさしいと言われる一方で、5,500人を超える大型客船では、事前知識が快適さを大きく左右します。
実際に筆者も、下準備や船内での過ごし方を工夫することで、0歳児連れでも無理なく快適に、そして楽しく過ごすことができました。本記事では、1週間の船旅で実感した「赤ちゃん連れでも快適にクルーズを楽しむための工夫」を、実体験をもとにご紹介します。
※MSCクルーズの場合、10泊未満の航路であれば年齢制限は特にありません。医務室はありますが、小児科専門ではないため、事前の体調管理も含め、かかりつけ医に乗船前にご相談されることをおすすめします。
①荷造りで船内生活を快適に整える


赤ちゃん連れのクルーズでは、荷造りがそのまま滞在の快適さに直結します。たとえば今回は、哺乳瓶の洗浄セットや、ガーゼなどを洗濯するための簡易洗濯グッズ「アタック どこでも袋でお洗たく」、マグネットフック、洗濯紐、簡易ハンガーなど、さまざまなアイテムを持参しました。

不慣れなシャワールームでも困らないためのベビーバス(空気で膨らむタイプ)や、時間を持て余さないためのおもちゃなど、ベビーグッズはしっかり用意しておくと安心です。船旅に限ることではありませんが、急なスケジュール変更や延泊に備えて、オムツやミルクなどの必需品は数に余裕をもって用意しましょう。

頻繁に行うおむつ替えは、マグネットフックと紙袋で簡易的なおむつステーションをベッド横に作ることで、動線がぐっとスムーズになります。

できるだけ普段と同じ環境で過ごせるよう、ベビーベッド用のシーツやスリーパーも持ち込みました。
※MSCクルーズの場合、数に限りがあるようですが、事前にベビーベッドのリクエストができます。

また、ドレスアップを一緒に楽しめるのもクルーズ旅行の魅力のひとつ。今回はフォーマルのほか、イタリアン、トロピカル、ホワイトといったテーマがあり、娘のコーディネートを考える時間も旅の楽しみになりました。スタイやアクセサリーで簡単に取り入れてみるのもおすすめです。
②必需品は必ず手元に

事前配送したスーツケースを受け取れたのは、夜の8時頃でした。当日必要なもの、とりわけベビーグッズは、当日持ち込む手荷物に準備しておく必要があります。ミルクやおむつ、離乳食は数に余裕をもち、お風呂や寝かしつけに必要なものも手持ちのバッグに入れておくと安心です。
※MSCクルーズの場合、ベビーフードは事前に申請が必要ですが、未開封のものは持ち込めます。
③子どものルーティンを最優先に

ミルクや離乳食、ねんねなど、娘の生活ルーティンを最優先に、それに合わせて大人の予定を組み立てていきました。常に外に出っぱなしではなく、ときには客室の静かな環境でしっかりとお昼寝もさせてあげました。

無理せず普段通りに過ごせたことで、娘も終始ご機嫌で、親も罪悪感なく安心して旅を楽しめました。
④スケジュールは事前に決めておく
大人数が集まるカジュアルクルーズでは、人気のプログラムほど事前準備が重要になります。

たとえばショーは、毎晩翌日分の予約が解禁されます。この機会を逃すと「予約なし枠」の列に長時間並ぶ必要があり、子連れではかなり大変です。あらかじめ予定を組んでおくことで、移動や待ち時間のストレスを大きく減らすことができました。
⑤混雑の波を避けて動く
終日航海日は、船内がもっとも賑わいます。多くの人が同じ場所、同じ時間帯に集まるため、意識的にピークを外すことが重要です。

一方で、寄港地で多くの乗客が下船している時間帯は、船内は驚くほど空いています。あえて下船せずにゆったりと過ごすという選択も、クルーズ旅行ならではの贅沢な過ごし方です。

筆者は寄港地の鹿児島では観光をせず、船内の有料レストランでゆったりランチを楽しみました。さらに夫と交互に一人時間をとって、大人限定の「スカイラウンジ」で桜島を眺めながら静かなコーヒータイムを満喫。とても穏やかな時間で印象に残っています。
⑥レストランには「早く入って、早く出る」

メインダイニングはコース料理のため、どうしても滞在時間が長くなりがちです。筆者はレストランオープンの15分前には並び、その間にアプリでメニューをチェックして注文内容を決めていました。
席に着いたらすぐにオーダーすることで、ドリンクや料理の提供も比較的スムーズになり、結果的に滞在時間を短縮。小さな工夫ですが、娘の機嫌をたもち、大人も気持ちよく食事を楽しむ上では大切な工夫だったと感じます。

また、娘が退屈しないように常にお気に入りのおもちゃを持参していました。
⑦寝かしつけ後に大人の時間を楽しむ

子どもを寝かしつけたあとに、大人が交代で自由時間を楽しむのもおすすめです。筆者は、早い日には18時30分頃には娘を寝かしつけ、そのあと20時以降のショーを夫と順番に鑑賞したり、パーティーを覗きに行っていました。

夜のイベントは、赤ちゃんにとっては光や音の刺激が強いかもしれません。一人行動にはなりますが、赤ちゃんに負担をかけず、大人も満喫できる方法です。また、夜間の一人行動でも安全かつ自由に遊べるのは、紛れもなく船旅のメリットのひとつだと感じました。
⑧寄港地での過ごし方は事前に考えておく

寄港地での行動は、船内以上に準備が重要になります。ベビーカーで楽しめるオプショナルツアーは限られるため、韓国・済州島でチャイルドシート付きのチャーターカーを個人手配。さらに、ベビーカーで入店できるレストランを予約していました。


自然観光にショッピング、名物の黒豚サムギョプサルや市場フードを満喫。途中でベビールームに立ち寄ることもでき、7時間の観光をマイペースに楽しめました。

ただし、天候などによって寄港地が変更される可能性もあり、個人手配の場合は費用が無駄になることも。リスクも含めて、事前によく理解・検討しておきましょう。不安な場合は、ベビーカーで参加できる公式オプショナルツアーから選択するのもひとつの方法です。
⑨行動は「想像よりもさらに早く」
大規模客船の子連れクルーズでは、みんなが考える“ちょっと前”の行動では遅いことが多く、さらなる前倒しがコツです。

たとえば、最終日は指定時間(この日は朝7時30分)までに客室を空ける必要があり、その後多くの人が下船時間までをブッフェレストランで朝食を食べながら過ごす流れになります。
ブッフェがスタートする朝6時に合わせて行けばいいと思いがちですが、その頃にはほとんどの席が埋まっていました。今回は5時前には席を確保しましたが、その時間であればまだ余裕があり、落ち着いて朝の時間を過ごすことができました。
ほかの場所で待つこともできるので、もちろん無理に早朝から動く必要はありません。あくまで、混み合いそうな場面では“さらなる前倒しが安心”という体験談の一例です。
⑩「詰め込みすぎない」が快適さにつながる

赤ちゃん連れだと思い通りにいかない場面もあり、大人旅の何倍も時間がかかります。でも、それも含めて楽しめるのがクルーズ旅。海の上で何もしないことこそが、贅沢な時間だったりするのではないでしょうか。
すべてを器用にこなそうとせず、その時の状況に合わせて柔軟に動くことが、結果的にストレスの少ない旅につながります。筆者は、船の上で娘と過ごした何気ない時間がとても思い出に残っています。
準備さえすれば、赤ちゃんとのクルーズ旅は快適!

赤ちゃん連れでのクルーズ旅行はハードルが高いように感じられますが、事前準備と少しの工夫次第で、その印象は大きく変わります。実際にベリッシマで一週間過ごし、移動の負担が少なく生活のリズムも保ちやすいことから、赤ちゃんに無理をさせずに大人も楽しめる旅のスタイルだと感じました。

もちろん、大型客船ならではの混雑や制約、寄港地で過ごす難しさもありますが、それらを理解したうえで動けば問題ありません。
赤ちゃんとの旅行に不安を感じている方にとって、クルーズ旅行が快適で思い出に残るものになりますように。
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メンバープロフィール

- ライター。大手旅行会社や外資系ラグジュアリーホテル、広報職に勤めた過去の経験を生かし、旅、ホテル、空港、グルメなど、観光業界にまつわる記事の取材・執筆を複数メディアで行っている。また、企業のプレスリリース執筆や公式SNS運用にも従事。未知の場所でまだ見ぬ景色に刺激を受けることこそ旅の醍醐味とも言えるが、馴染みのあるお気に入りの場所をリピートするのも好き。とくにハワイと韓国には何度も訪れている。兵庫県在住で神戸港が身近にあることが、クルーズに興味を持ったきっかけ。

