『世界で最も美しい船旅』フッティルーテン・沿岸急行船(寄港地)

こんにちは、宮澤陽子です。
フッティルーテンはノルウェーの西海岸のベルゲン~キルケネス間の2,400km、大小34の港に寄港しながら片道1週間、往復12日間結ぶ定期航路です。

前回は紹介編をお届けしましたが、今回はいくつかの寄港地をご紹介しましょう。

では、早速いってみましょう!

フッティルーテン(沿岸急行船)は地元の住民や荷物の荷下ろしのため15分しか停泊しない小さな港町から、10時間停泊する大きな港町まで、大小34の港に寄港します。
一日5か所以上の港に立ち寄る日もあります。

ノルウェー南北を往復しているため、北行きと南行きでは同じ港に寄港します。
北行きで深夜に寄港した港が、南行きでは日中に寄港します。
同じ航路でも異なる港町を訪れることが出来ます。

一般的な大型観光客船では停泊できないような小さな港町を訪れることができるのも楽しいポイントです。

ベルゲン

ノルウェー第二の街ベルゲンは7つの山に囲まれた坂の街です。
港沿いにハンザ時代の木組みの建物が並ぶブリッゲン地区はユネスコ世界遺産に指定されています。

一歩足を踏み入れると、屋根と屋根がくっつきそうな狭い廊下が通っていて、散策するのが楽しい。
街の中心地には、友達同士で楽しそうにおしゃべりする大学生や家族連れ、高齢のご夫婦が集まってきます。
海に開けている影響なのかベルゲンっ子はとても気さくに感じます。(首都のオスロとは言葉も違います)

オープンカフェで地ビール・ハンザで乾杯したり、小さなカフェで美味しいコーヒーとケーキを食べたり、地元の人に交じるひと時もほっこりします。

人口数百人という牧歌的な小さな港町にも立ち寄ります。
大型客船はテンダーボートに導かれて入港するという流れですが、フッティルーテンはまるでバスが止まるかのようにすーっと港に入っていきます。
まるで車を駐車場に止めるような感じで船長は慣れたものです。
港に着くたびに船が岸壁に近づいていく様子を見学するのもなかなか面白いです。

ノルウェーは日本とほぼ同じくらいの面積なのですが、人口はたった530万人。
どんな暮らしを毎日しているのかなあと想像を膨らませてみます。

オーレスン

オーレスンはアールヌーボー様式の建物が印象的。
黄色やピンク、ブルーの壁に植物や人物などの美しい装飾が施された建物を眺めるだけでも楽しい。
元気があればアクスラ山に登って街を眼下に一望するのもおすすめです。

ショッピングセンターでお買い物をしたり、ヴィンモノポーレという酒類専売店を覗いてみましょう。
ノルウェーではビール等のアルコール度の低いお酒はスーパーマーケットでも買えますが、ワインなどはヴィンモノポーレでしか買えません。
しかも街に数軒しかなく、営業時間も決まっているのでノルウェー人はお酒を手に入れるときは真剣です。

街並み

ノルウェーの街を歩くと、高さやイメージが統一された街並みと出会います。
少しずつデザインは異なっていても色合いやイメージが似ているので、町全体が落ち着いた雰囲気です。
火事で街が焼けてしまったため同じ時期に街を再建した街もあるのですが、根本的には町全体の景観を考えて建物を作るという考えがあると思います。
日本やアジアのような建物の高さやデザインが千差万別というのも面白いですが、昔の街のようにまとまりのある街並みになれば、心持ちも落ち着くのではないのかなあとノルウェーの地でふと考えました。

トロンハイム

トロンハイムはノルウェー最初の首都が築かれた古都。
歴史はヴァイキング時代の1000年前までさかのぼります。
見どころは北欧最大の巡礼の地ニーダロス大聖堂。
『アナと雪の女王』にも登場したオラフと同じ名前を持つ聖オーラヴが埋葬された中世の面影を残す教会です。

正面の繊細で美しい彫刻が目を引きます。
歴代のノルウェー国王の戴冠式もニーダロス大聖堂で行われていたほど、ノルウェーでは最も重要な教会のひとつです。
内部は美しいステンドグラスや巨大なパイプオルガンが目を引きます。

トロムソ

トロムソは『北欧のパリ』と呼ばれた北極圏最大の街。
大学があるせいか若者も多く活気のある街です。
メインストリートにはショップが並び、お土産を買うのも楽しいのです。

橋を渡った対岸にはトロムスダーレン教会というステンドグラスの美しい教会があります。
橋を渡るのは20分くらい。
風が強い時は歩くのも大変ですが、旅から戻ると『寒い~』と話した時間が記憶に残っていたりします。
帰りはローカルバスに乗って街に戻るのも、地元体験が出来て少しエキサイティングが味わえます。

キルケネス

北の終着地キルケネスはロシアとの国境のすぐ近く。
フッティルーテンの折り返し地点で北緯69度の高緯度にあります。
ノルウェー海から東のバレンツ海に入った位置にあるので、冬はトロムソなどの都市に比べるとグッと冷え込みます。
トロムソで-4℃でもキルケネスは-20℃なんてこともあります。

雪を踏みしめながら歩くのも、思えばずいぶん北に来たもんだという気分になって、旅情感たっぷりと浸れます。

タラバガニが獲れることで有名で、オプショナルツアーのタラバガニ・サファリに参加して、目の前で収獲された新鮮なカニを食べるのも楽しみ!

いかがでしたでしょうか。
ぜひ皆様も訪れてみてくださいね。

メンバープロフィール

宮澤陽子
宮澤陽子
合同会社『船旅見聞録』代表。
北欧専門旅行会社やランド・オペレーターに25年間勤務後、『船旅見聞録』主催。カジュアルな服装で参加でき、デスティネーションを楽しむための『誰でも参加できる船旅』を紹介するクルーズ代理店です。(フッティルーテン、クロワジーヨーロッパなど)
学生時代はバックパッカーとしてリュックを担いで、世界を旅しました。訪れた国は60か国以上、北欧訪問回数は50回以上。
船旅歴はフッティルーテン、クロワジーヨーロッパ、北極(スヴァルバール諸島、グリーンランドなど)、南極、様々なクルーズを経験。
フッティルーテン販売は25年、乗船は15回以上あり、日本で最も詳しいと自認しています。

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