ゲンティンドリーム乗船記|子連れで行くシンガポール発着クルーズ

子育て中のママにとって、旅先選びのハードルは想像以上に高いもの。長時間の移動、子どもの機嫌、荷物の多さ。それでも「家族で非日常を楽しみたい」と思ったとき、目に留まったのが “フライ&クルーズ” という旅のスタイルでした。

飛行機でシンガポールへ向かい、そこからクルーズ船に乗り込む3泊4日の船旅。選んだのは、アジアらしいエンターテインメントとダイナミックなスケールが魅力の「ゲンティンドリーム(Genting Dream)」。今回は、週末+数日の休みでも叶えられるシンガポール発着・子連れクルーズ旅として、ゲンティンドリーム乗船体験をご紹介します。

「ゲンティンドリーム」ってどんな船?


ゲンティンドリーム(Genting Dream)」は、アジア市場向けプレミアムクラスの大型客船で、現在は「ドリーム・クルーズ」が運航しています。
その全長は約335メートル、東京タワー(333メートル)を横に寝かせたのとほぼ同じスケール。総トン数は約151,000トン、最大乗客定員は約3,300名と、クルーズ船としても最大級の部類に入ります。

船内には35以上のレストラン&バーをはじめ、ウォータースライダー付きのプールエリア、シアター、カジノ、スパ、免税店街などがそろい、まさに“海に浮かぶプレミアムリゾート”のような充実ぶりです。

乗客層はアジア圏のファミリーやカップル、グループ旅行者が中心。
「カジュアル」「プレミアム」「ラグジュアリー」と分類される中で、プレミアムクラスに位置づけられる船ですが、実際の雰囲気は活気があり、カジュアル寄りの印象を受けました。

私たちが体験したのは、シンガポール発着の3泊4日ショートクルーズ。短い日程でも、非日常をぎゅっと詰め込んだような、家族にとって満足度の高い時間が過ごせる旅でした。

私が “シンガポール発着” を選んだ理由


旅行の行き先を考えるとき、まず頭をよぎるのは「子連れでも無理なく行けるかどうか」。その点でシンガポールは、私にとって理想的なスタート地点でした。

日本からは直行便が豊富で、移動時間も6〜7時間ほど。子どもが機嫌を崩す前に到着できる、ギリギリの距離感です。空港から市内、そしてクルーズターミナルまでの動線もコンパクトでスムーズ。大人だけなら気にならない“移動のストレス”が少ないというのは、子連れ旅において大きなポイントです。


そして何より魅力だったのは、わずか3泊4日で「クルーズの世界」を凝縮体験できること。

実際は春休み期間だったので、旅の日数にはある程度余裕がありました。でも、子連れ旅となると話は別。荷物の多さや準備の手間が重くのしかかってくるのです。

その点、東南アジアの温暖な気候はありがたく、服装も軽装で済むぶん荷造りがとにかくラク。滞在日数が短いことで持ち物も最小限にできて、心のハードルがぐっと下がりました。“行けるけれど、準備が面倒で躊躇する”——そんなママたちの気持ちにも、しっかり寄り添ってくれる旅のかたちでした。

家族で満喫!ゲンティンドリームの船内キッズ体験

遊びどころ満載!スライダー付きの船上プールゾーン


クルーズでの滞在中、6歳と3歳の子どもたちが一番はしゃいでいたのが、船のデッキにあるプールゾーン
その一角には、キッズ向けのウォータースライダーが設置されていて、海風を感じながらの水遊びタイムにぴったりでした。

滑り台を見るなり目を輝かせた子どもたちは、最初の一回を終えると、あとはもうエンドレス。「もう一回!」を繰り返す姿に、こちらも思わず笑ってしまうほど。
浅めの水深なので、3歳の娘でも安心して遊べたのも嬉しいポイントです。


少しの空き時間にも気軽に立ち寄れて、“特別なことをしなくても楽しい” がそこにある
子連れ旅ならではの “ちょっとした幸せ” が詰まった、我が家にとって忘れられない場所になりました。

少しの間、親もほっと一息|船内キッズクラブ


旅先で、子どもとずっと一緒に過ごすのはもちろん幸せ。 でもほんの少しの “自分時間” があると、心にも余裕が生まれる—— そんなママの本音をやさしく受け止めてくれるのが、船内のキッズクラブ「リトル・ドリーマーズ・クラブ(Little Dreamers Club)」。

3歳〜12歳が対象で、1回あたり2時間までの利用が無料で可能です。時間内であれば、保護者が同伴せずに預けることができるので、親がちょっとした自由時間を過ごすのにぴったり。最終日下船前のパッキング時間にもお世話になりました。

けれど、私がこのキッズクラブを気に入った理由は、ただ“預けられる”からではありません。 船内で唯一、子どもたち同士が異文化の中で自然に交流できる場所だったからです。


室内では、ブロック遊び、ボードゲームやおままごと、映画ルームなど多彩なアクティビティが展開されていて、中でも先生主導のクラフトワークショップでは子どもたちはすぐに打ち解けていました。


まだまだ英語を勉強中の3歳の娘も、同年代の子たちと一緒に遊びながら、“通じ合う楽しさ” を肌で感じていたようです。お友達ができたから、明日もキッズクラブに行く!と連日張り切っていました。

施設そのものもとても清潔で、靴を脱いで過ごせるのも嬉しいポイント。海を一望できる大きな窓があり、明るく開放感のある空間で、親としても安心して送り出せました。

毎晩がスペシャルイベント|ゲンティンドリームのショー体験


約1,000席を備える船内の本格的な劇場「ゾディアック・シアター(Zodiac Theatre)」。予約不要で気軽に立ち寄れるにもかかわらず、内容は想像以上に本格的です。

初日に観た『FABULOUS CHAN』は観客参加型のダンスタイムがあり、子どもたちもステージに上がって踊るという貴重な体験に。さらに6歳の息子はパフォーマーに選ばれ、終演後には他の乗客から “Good job!” や “Stage boy!” と声をかけられる場面もありました。


音楽やパフォーマンスを中心とした構成で、言葉がわからなくても楽しめる内容なのも魅力。夜ごとに“特別”が待っているのは、ゲンティンドリームならではの楽しみのひとつです。

ここでしか見れない!操縦室を見学できる展望スペース


「ブリッジ・ビューイング・ルーム(Bridge Viewing Room)」は、デッキ15前方にある展望スペース。ガラス越しに操縦席や航海機器を見学でき、子どもにとっても貴重な学びの場になります。
作業中のクルーの姿を間近で見ることができることもあり、クルーズ船の仕組みに興味が深まる体験でした。

水平線を眺めながら味わう、朝のひととき「OASIS」


船内にはいくつかの朝食会場が用意されているなかで、家族で何度も足を運んだのが「オアシス(OASIS)」。

 スパの目の前に位置するこの小さなダイニングスペースは、窓際に並ぶ海を見渡せる席が特等席。静かな朝の空気に包まれながら、ゆったりと食事を楽しめるのが魅力です。

ビュッフェのメニューは基本的に他会場と大きく変わらないものの、ここでは絞りたてのオレンジジュースやデトックスジュースを追加オーダーできるため、気分に合わせて少しだけ“ヘルシーな朝”に寄せられるのも嬉しいポイント。
子どもたちも、ジュース片手に広がる海を眺めながらの朝食時間を、すっかり気に入った様子でした。


人の出入りが多くにぎやかなメインビュッフェに比べ、落ち着いて朝を迎えたい方にはOASISがおすすめです。

子どもたちが大はしゃぎ!二段ベッド付きのファミリー客室


滞在したのはバルコニー付きの客室。


娘の憧れだった二段ベッドの夢を叶えるため、本来はソファーベッドの部分を、二段ベッド仕様にアレンジしてもらいました。

二階部分は遊び場のように楽しんでいた子どもたち。収納もたっぷりで、約20㎡の空間でも、動線はスムーズで快適に過ごせました。

週末+数日で叶う、家族の “アップデート旅” にちょうどいいクルーズ体験


日本発着クルーズと異なり、フライ&クルーズという旅のスタイルは、より海外らしい非日常クルーズ体験が可能です。中でも、シンガポール発着のゲンティンドリームは、アクセスの良さとアジアらしい多様な空気感が同居し、子連れで過ごす時間に心地よく寄り添ってくれる船でした。

ショー、プール、食事、客室……すべての体験が、日常では得られない“家族のアップデート”につながったことは間違いありません。
忙しい日々の中でも、週末+数日の休みがあれば実現できる——そんな選択肢があることを、ぜひ多くの人に知ってほしいと思います。

寄港地観光の様子や、実際にシンガポールで前泊後泊で利用したおすすめホテルなど、別の記事でご紹介します。そちらもぜひご覧ください。

取材協力:ドリーム・クルーズ

メンバープロフィール

Michelle
Michelle
幼少期をアメリカで過ごし、これまで訪れたのは約50カ国200都市以上。慶應義塾大学文学部卒業後、IT企業を経てトラベルライターに転身。結婚後、中国上海での生活を3年ほど経験し、2019年に帰国。プライベートでは2児の母として旅育を実践し、国内外を旅している。教育関連事業や企業広報も兼任。Instagramではホテルやグルメ情報を中心に、子供との旅育の様子も発信中。

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