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1873年設立、150年の長い歴史を持つ米シアトルのクルーズ会社「ホーランドアメリカライン(Holland America Line)」
2名のお客様に対しほぼ1名のクルーが乗務し、行き届いたサービスと贅沢な体験を提供する伝統的なクルーズ会社として高い評価を受けています。
2023年10月15日、横浜港 大さん橋 国際客船ターミナルに寄港したホーランドアメリカラインの客船「ウエステルダム」の船内見学会が開催されました。実はまだクルーズ旅行未経験の私ですが、船内各施設のほか、プレゼンテーションを通じて知った魅力満載のホーランドアメリカラインについてレポートします!
Holland America Line「ウェステルダム」について
近年10万トンを超える大型客船が増える中、中型船にこだわってきたホーランドアメリカラインの客船。どれでも名前の末尾にダムがつくため、業界内では「ダム船」の名称で親しまれています。
今回見学したのは、2004年に就航(2017年改装)した約8万トン、乗客定員 1964人、客室数 982室のウェステルダム。洋上の美術館の異名を持ち、ウェステルダム船内には「新大陸におけるオランダの遺産」をテーマに、船内にはニューヨークを発見したオランダ帆船「ハーフ・ムーン号」など歴史的な船の絵画が飾られていました。
オランダの国立博物館とコラボレーションし、さまざまなアートのレプリカが船上に置かれており、アート好きな方は船内を歩くだけでも楽しいでしょう。
船内施設紹介
カリスマシェフ監修「メインダイニング」など6つのレストランやカフェ・バー
クルーズ旅の醍醐味といえば、オールインクルーシブ。クルーズ料金内に朝昼晩の船内での食事が含まれるため、レストラン事情は気になります。
国際的な美食団体ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会メンバーのカリスマシェフ監修の料理を楽しめる「メインダイニング」のほか、最上階の素晴らしい眺望と共にテーマ別のさまざまなビュッフェを味わえる「リド・マーケット」、人気のアメリカンスタイルハンバーガーが食べられる「ダイブイン」の3つのレストランはクルーズ料金内でお食事を楽しめます。
追加料金・予約制レストランとしては、本格イタリアン料理「カナレット」、アジア料理「タマリンド」、グリル料理「ピナクルグリル」の3つ。
特に船内最高級レストランのピナクルグリルは、特別な日にぴったりの上質な雰囲気。テーブルにはレイノーのショープレート、生花が飾られ、新鮮なシーフードのほかクラシックなステーキハウス料理を味わえます。
余談ですが、クルーズ船は海を渡って長い日数旅する特性上、「生(フレッシュ)なもの」に触れる機会が少ないと言われます。そんな中でも、ホーランドアメリカラインでは船内に多くの生花を飾るようこだわっているそう。ゲストへのこのような気配りから、ホーランドアメリカラインの接客、ホスピタリティが好評なのも納得です。
食事以外では、「オーシャンバー」やカジノ併設のバーなど、大人の時間を過ごせるバー施設も充実。
船内前方、270度のパノラマの眺望が広がるスペシャルカフェ「クロウズネスト」では、サンドイッチやペストリーなど軽食もいただけます。
お腹いっぱい食事を楽しむもよし、お酒を嗜むもよし、カフェでゆっくりリラックスするもよし。選択肢が多い分、飽きることなく自分好みの過ごし方ができそうです。
スポーツ施設やスパ
航海日には、終日船内で過ごすことになるクルーズ旅。体を動かすジムやリラクゼーションのためのスパ施設なども充実しています。
私自身、5歳と2歳の二児の母のため、「家族連れでの乗船の場合、どうやって楽しめるか?」とママ目線でチェックしがち。開閉型天井を備えた全天候型スイミングプール「リド・プール」では、季節問わず家族でプールやジャグジーを楽しめそうでした。
大人の癒し時間を過ごすなら、「グリーンハウススパ&サロン」へ。船上でドレスアップする日はビューティーサロンを利用したり、航海中海を眺める海上の絶景スパで自分へのご褒美時間を過ごすのもよさそうです。
音楽に焦点を当てたエンターテイメントプログラム
船内エンターテインメントの中でも、個人的にも気になったのが、「ミュージックウォーク」。
BBキングスブルースクラブやBillboardと提携して設計された「ビルボード・オンボード」など、クラシック、ヒットチャート、ロックをはじめとする複数のステージをまわって本格的なライブ音楽を楽しめます。
そのほか、メインステージでは優れたパファーマーによる劇場でのショータイムなど、ワールドクラスのエンターテインメントが連日開催。寄港地観光だけではなく、船内エンターテインメントが充実していること、さらに多くが追加チャージなく無料で楽しめるのはクルーズ未経験者からすると驚きです。
客室紹介
落ち着いた雰囲気の客室
「クルーズ船の客室ってどんな感じなんだろう?」
船内見学会に参加するまでは、あまりイメージがつきませんでした。
今回で3度目となる船内見学ですが、実際に見てみると、ホテルと同様、広さもインテリアもカテゴリーによって異なる印象です。
ウェステルダムの客室数 982室のうち、85%が海側に面しており、そのうち80%がプライベートベランダ(バルコニー)付きの仕様になっています。(実はこれまで船酔いが怖くてクルーズ船で旅することを避けていた私ですが、いつか乗るなら絶対にバルコニー付きのルームカテゴリーがいい!と思っています。)
2017年に改装済みのウェステルダムは、以前のお花柄のクラシカルなデザインからモダンな客室デザインへ一新。長旅でも居心地のいい落ち着いた雰囲気の客室です。
ルームカテゴリーは、海側に面した3つのスイートのほか、ベランダ付き、海側(窓のみ)、内側客室(窓なし)の全6種類。内側客室以外、ほとんどの客室にバスタブが付いているのも特徴です。(下記、参考に客室カテゴリーの特徴をまとめました)
客室タイプ | 広さ | 特徴 |
ピナクルスイート | 107㎡ | リビングエリア ダイニングルーム プライベートバルコニー(屋外ジャグジー) バスタブ |
ネプチューンスイート | 47㎡~65㎡ | リビングエリア プライベートバルコニー バスタブ |
シグネチャースイート | 35㎡ | リビングエリア プライベートバルコニー バスタブ |
ベランダ客室 | 20㎡~23㎡ | プライベートバルコニー バスタブ |
海側客室 | 16㎡ | バスタブ |
内側客室 | 14㎡~18㎡ | シャワーのみ |
107平米の屋外ジャグジー付きスイート客室
今回見学した中でも最上級スイートルーム「ピナクルスイート」もご紹介します。
7階に前方に位置する107㎡の広さのある客室には、リビングルーム、ダイニングルーム、さらにプライベートベランダ(バルコニー)にジャグジーも完備。
ウォークインクローゼット付きのベッドルームには、大理石調のバスルームにレインシャワーや広々としたバスタブまで。
ラグジュアリーホテルのような客室で贅沢な時間を過ごせそうです。ただ、もちろんその分お値段も…
クルーズ旅での客室の選び方は人それぞれですが、歴史と最高のサービスを誇るホーランドアメリカラインは、一見高そうに見えるものの意外と乗りやすい価格帯のクルーズも存在します。中には300USD台のクルーズ料金のものも。気になる方はぜひ検索してみてください。
いつか乗りたいアラスカクルーズ
クルーズの楽しさは船内での体験に留まらず、各寄港地観光も旅の醍醐味。地中海からカリブ海、アジアをはじめ世界各地の航路の中でも、船内見学プレゼンテーションで最も気になったのがアラスカクルーズです。
夏季限定のアラスカクルーズは、5〜9月のみの運行。ホーランドアメリカラインの客船11隻中6隻がこの時期アラスカに集結します。
毎年早くに完売する人気の理由は、ただ夏の避暑のためだけではなく、大自然の航路。1100種類と言われるアラスカ生息の動物の中でも、アラスカビッグファイブ(ドールシープ、カリブー、オオカミ、ヒグマ、ヘラジカ)と出会えるエクスカージョンや、オーシャン5と言われるシャチやクジラをはじめとする海洋生物とも出会える体験が魅力です。
船内では、氷河を観測するために通常外には出られないカフェエリア、クロウズネストを解放し、ホットワインや子供たちにはスープが振る舞われるそう。
子供たちと旅する中で、自然と触れ合ったり、日本ではできない経験をさせたいと常日頃思っている私ですが、このアラスカクルーズはまさに理想そのもの。ラグジュアリー過ぎず、カジュアルにも振り切らない。キッズクラブなどファミリーフレンドリーな面もありながら、サービスは一流。グルメも楽しめて、理想の旅ができるであろうホーランドアメリカライン。
皆さんもぜひチェックしてみてください!
取材協力:ホーランドアメリカライン
メンバープロフィール
- 幼少期をアメリカで過ごし、これまで訪れたのは約50カ国200都市以上。慶應義塾大学文学部卒業後、IT企業を経てトラベルライターに転身。結婚後、中国上海での生活を3年ほど経験し、2019年に帰国。プライベートでは2児の母として旅育を実践し、国内外を旅している。教育関連事業や企業広報も兼任。Instagramではホテルやグルメ情報を中心に、子供との旅育の様子も発信中。
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