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皆さま、こんにちは。
2010年代より海外クルーズ旅行を取材し、プライベートでも夫婦で船旅を楽しんでいる izumin です。
イタリアにルーツをもつ世界最大規模の運輸会社が創設したクルーズ会社、MSCクルーズの日本周遊船「MSCベリッシマ」で、国内発着のクルーズ旅をしてきました。
本記事では、MSCクルーズならではの豪華絢爛スポットやパーティー、日本人に寄り添ったサービスにフォーカスをあてて紹介します。

▼MSCベリッシマは、船籍がマルタ共和国、建造はフランスのアトランティーク造船所、命名式は英国・サウサンプトンとヨーロッパに馴染みがある
私の「MSCベリッシマ」初乗船は、2019年の地中海クルーズ。今回の2025年5月乗船は、二度目のリピート乗船ということになります。
過去にヨーロッパの地中海で乗船した「MSCベリッシマ」に、なぜ再び乗船したのか?
少し長めの前置きから綴りますので、最新の乗船記から知りたい方は冒頭の目次より 【デッキ5・6・7】MSCクルーズを象徴するきらびやかなスワロフスキー空間へ をクリックして下さい。
※私のクルーズ旅の理想は、ゆっくり静か、人混みは避けて優雅に過ごしたいおとな旅タイプなので、私なりの目線で紹介します
※3本立てのブログ記事で体験記を綴っています
▸本記事【MSCベリッシマ 特集1】夫婦旅リピーター視点で! 日本ならではのサービスにも大密着 2025年5月乗船記
▸【MSCベリッシマ 特集2】海側バルコニー客室、朝食・ルームサービス、MSCボヤジャーズクラブを特集!
▸【MSCベリッシマ 特集3】本当は秘密にしたい、便利なお役立ち情報まとめ(船内Wi-Fi、寄港地など)
【前置き】MSCクルーズの初乗船は2019年の地中海クルーズ

私がMSCベリッシマに乗船したいと計画したのは、リリースを拝見した2017年(未だ造船中)だったかと。
ちょうどその頃、夫婦の新婚旅行として、別会社のクルーズ船でヨーロッパ・バルト海を周遊。すでに複数の海外クルーズ旅行を取材経験済みだった私に対し、夫は「人生はじめてのクルーズ旅行、しかも海外で!(クルーズ用語:フライ&クルーズ)」という状況でした。
ところが、何もかもが初めての体験尽くしだった夫は、たった一度のバルト海クルーズで、クルーズ旅行の虜に! 熱量の冷めないうちに「次は新造船でヨーロッパクルーズ旅行をしたい」と、直ぐさま予約したのが、地中海クルーズでのMSCベリッシマでした。

▼MSCベリッシマ 2019年秋 地中海クルーズ(マルタ共和国・バレッタに寄港中、高台より撮影)
2019年3月の新造船MSCベリッシマのデビューから約半年後、念願が叶いスペイン (バルセロナ) 発着で、フランス (マルセイユ)、イタリア (ジェノバ・ナポリ・メッシーナ)、マルタ (バレッタ) を巡り、夫はさらに拍車をかけたクルーズ旅行好きに。
▸【前篇 船内レポート】新造船「MSCベリッシマ」で巡る地中海クルーズ
▸【後篇 寄港地レポート】新造船「MSCベリッシマ」で巡る地中海クルーズ
結婚前からも一人でクルーズ客船の取材をし、その魅力に夢中だった私としては「よしよし、これで今後も夫婦で海外クルーズ旅が出来るな!」と思っていた矢先、翌年から世界中がパンデミックに……。
当初2020年の日本寄港を予定していたMSCベリッシマも、コロナ禍で延期となり、日本でいつか再び乗船することを夢見ていました。

前回のMSCベリッシマの地中海クルーズでは、日中のヨーロッパ寄港地巡りに注力を置いていたこともあり、船内のイベントやパーティーにはあまり参加した記憶がありません。
約6年ぶりに乗船する日本発着クルーズは、5泊6日の九州・韓国ショートクルーズ(東京発・横浜着)で終日航海日が2日もあることから、MSCベリッシマならではの見どころに着目し、日本人をターゲットとしたことで加わったサービス、またリピーターならではの視点や船内で気づいたこともシェアしていきます。
【デッキ5・6・7】MSCクルーズを象徴するきらびやかなスワロフスキー空間へ

クリスタルがきらめく3層吹き抜けのプロムナード「インフィニティ アトリウム」は、MSCクルーズのアイコニック的な存在の一つ。
MSCベリッシマは、規模やサービスにより3つにカテゴライズされた、一般的な客船クラスのなかでも”カジュアル船”に属しますが、この空間は豪華絢爛そのもの。キラキラとまばゆく輝き、何度乗船しても高揚感が増します。

プレミアム船やラグジュアリー船に比べて、比較的リーズナブルな価格設定のクルーズ船にも関わらず、まるで宮殿のようなゴージャスさ! いかにも”豪華客船”という言葉を連想させる空間使いに圧倒されます。

夜のパーティータイムではエレガントなドレスコードに身をまとい、このクリスタル階段で記念撮影をされる方も多いはず。1段につき640個、全体では約6万個以上のスワロフスキーの階段は、他の会社のクルーズ船でも見かけない特徴の一つです。
船内の中でも大人気のフォトスポットでもあることから、時間帯によっては船内の専属カメラマンを配していることも。


私は落ち着いた状況で撮影をしたいタイプなので、夫と一緒に深夜デートがてらフォトジェニックな雰囲気で撮るのが好きです。誰の邪魔にもならず、しかも貸し切り状態で静か。優雅で贅沢な気持ちにもなります。

下からあおった角度で撮影をされる方も多いですが、上から見下ろす俯瞰状態で撮影するのもおすすめ。
ピアノが置いてあるステージ、クリスタルの階段2段と一緒に、上から撮影したい場合、デッキ7から撮影すると良いです。発想を豊かに、自由な気持ちで撮影をしてみて下さいね。

階段は人気スポットなので、上から見下ろす俯瞰状態で撮ることが難しい場合もあります。そんな時は鏡張りの天井をあえて構図内に入れ込んでみても◎
実際には、デッキ5~7の3層空間なのに、天井に映るリフレクション効果で、階段や階層が増えた、迫力のある一枚が撮れます。スマートフォンのカメラの場合も、出来る限り広角モードにすることで、奥行きのあるダイナミックな写真に!


MSCベリッシマの乗船歓迎カクテルのイベント(開催:終日航海日の18:45~19:30の時間帯)では、デッキ5・6の全てのバーにて無料のカクテルが振る舞われます。
ゲストの方々が立ち飲みしながらカクテルを楽しむタイミングでもあるので、単焦点レンズや望遠レンズを活用し、階段の輝きを活かした撮影も面白いですよ。
【デッキ6・7】プロムナードで催されるMSCクルーズならではのパーティー
MSCクルーズならではのユニークなイベントと言えば、毎夜繰り広げられる賑やかなパーティー。
その日ごとにおすすめのドレスコードがあり、洋服のカラーやデザインなどを揃えて、彩り鮮やかで特別なシーンを楽しみます。

□ イタリアンナイト / イタリアの国旗色の緑、白、赤(カジュアル)
□ ホワイトナイト / 白(カジュアル)
□ フラワーグローリー / 花柄、カラフルな柄物など(カジュアル)
□ フォーマルナイト(エレガント)
旅行会社(チャータークルーズ等)によってはクルーズ旅行の出発前に日々のドレスコードを教えて貰えることもあるようですが、「初めましての方はあまり細かく気にせず、自分の好きなように洋服を揃える程度でもいいのでは?」と、個人的には考えます。

MSCクルーズはそもそもが”カジュアル船”ということもあって、ドレスコードはあくまでもおすすめ(推奨)レベルです。ラグジュアリークラスのクルーズ船のような厳格なコーディネート指定はありません。
先ずはその場で緊張せず、大いに楽しむことが何より。もちろん思いっきり着飾ってもOKですが、高価な衣装をきちんと揃える必要も無く、気楽に乗船出来るのが、カジュアル船の良いところでもあります。

▼クルーズ旅中に何かと役立つ鮮やかなスカーフ(高価なものでなくてもOK! カラフルでお手頃なものを何種類か用意しておくと便利)
最小限の洋服でパーティーのドレスコードを揃えたい場合、用意しておくと便利なのが、カジュアルな日中着用でも使える白Tシャツ、寒い時に羽織替わりにもなる白シャツ。
そして、お持ちのスカーフやアクセサリー、バッグ、小物類などで緑や赤をアクセントに取り入れる工夫することで、荷物を最小限に出来ますよ。

私の場合、人よりも水着やトレーニングウェアを多く持ち込むこともあり、日常服の用意は比較的少なめなタイプ。
ドレスコードのカラーなどを予め把握した上で、白地に小花柄の入ったリゾートワンピ、寄港地での着用を兼ねたユニクロ購入のお手軽赤ワンピースをベースに、あとはスカーフやアクセサリーなどの細々したアイテム類でイタリアカラーらしい彩りを取り入れて、最小限の洋服で着回しました。
(何故そのようにしたのか? その理由は、次の記事 で分かります)
特にアクセサリーなどの小さなアイテムは、飛び跳ねて踊ったりしているうちに無くしてしまうこともあるので、お手頃価格のものを用意してみても◎
(私は過去のクルーズ旅行で、ピアスを片方だけ紛失したことが二度もあります……涙)

デッキ6・7の中央プロムナード「ガッレリア・ベリッシマ」で催されるパーティーは特に圧巻!
ドーム状の天井にある全長80メートルのLEDスクリーンスクリーンから様々な映像が流れ、テーマに沿った賑やかな音楽とともに、空間全体はゲストとクルーのグルービーな一体感で包まれます。

数あるパーティーの中でも、MSCゴールデン・パーティーはベリッシマを皮切りに、MSCクルーズの他の船でもスタートするのだとか。どの船よりも先駆けて、金色に染まる特別なパーティーを体験することが出来るなんて、特別感がありますよね。
【デッキ18】静かで落ち着いた雰囲気を好まれる方に「スカイ・ラウンジ」がおすすめ

デッキ18中央「スカイ・ラウンジ」は大人限定のバー・ラウンジ。
営業時間は、10:00から夜中1:30迄。長い時間をかけて営業しており、人混みは避けて優雅に過ごしたいおとな旅派にぴったりの場所ですよ。

▼日中は大空と大海原を感じられるダイナミックな眺めを楽しみ、夜はバー・ラウンジならではの演奏に耳を傾けて
180度に開けた空間使いで、窓からはプールデッキと海を一望出来て開放的! 屋内施設なので、天候にも左右されないというポイントも嬉しいです。



私たち夫婦のお気に入りの場所だったので、日中から夜にかけて入り浸ることもしばしば。
上階のビュッフェで展開されているものと同様のスイーツが、ショーケース内に用意されているので、有料コーヒーをオーダーし、デザートと共におやつタイムをするのも日課の一つでした。


▼プールの奥よりさらに上、一番明るく見えるガラス張りの階が「スカイ・ラウンジ」
ホワイトナイトの夜は、プールデッキで開催中のホワイトパーティー全体を静かに眺められてナイス!
大勢の人に混ざりながらパーティーに参加するのは得意ではない方も、まるでプロデューサー気分で、眼下に広がる賑やかな様子を見学出来ます。
日本発着クルーズならでは!日本人に向けたサービスも
ヨーロッパでの地中海クルーズと違い、日本を中心に周遊するクルーズ船になったことで、日本人に向けたサービスもたくさん増えました。その代表的なものが、日本語表記による案内やメニュー、日本食の提供、そして日本語対応可能なスタッフの配置です。




例えば、皆さんが必ず利用されるレストランにおいても、日本語のメニューが必ず用意されています。
数年前のMSCベリッシマでは料理の写真付きメニュー自体も無かったように記憶しているのですが、今は英語と日本語のメニュー名と、素材や味付けまで日本語表記されていて、とても分かりやすい!

ちょっとした補足ですが、MSCベリッシマに限らず、大型客船の船上にある複数のレストランの厨房は、一つの大型ギャレー(厨房設備)に集約されており、そこから何千人ものゲストに料理が振る舞われるシステムになっています。出来るだけ早く、大勢のゲストにたくさんの料理を運べるような工夫にも気付かされます。




朝昼用、日本食を食べられるような工夫があり、特にデッキ15後方の「マーケットプレイス・ビュッフェ」では、メインの食事時間帯には、何かしらの日本食が用意されています。
お惣菜のような複数の和食に加えて、わかめや豆腐、ネギをお好みで加えるみそ汁、梅干しがあり、特に納豆やお茶漬けの素などは人気のようです。
ちょっと小腹が減った時に食べたくなるお蕎麦やラーメンもあるので、船内で日本食に恋しくなることは無さそうです。



客室に配られるダイヤリープログラム(船内新聞)も、もちろん日本語です。船内の専用アプリ「MSC for Me」でも日本語表記でスケジュールチェックも出来ますが、私は配布された紙のスケジュールに、蛍光ペンと黒ペンを活用し、見逃せないイベントをチェックします。
専用アプリも便利ではあるのですが、数名で一度にスケジュールをチェックする時や、咄嗟に全施設の営業時間を確認したい時では、紙仕様の方が一覧になっていて使いやすいことが多いです。




船内のいたる場所に設置されている案内なども、ほぼ日本語表記。問い合わせの多そうな両替機の為替レートも、分かりやすく掲示されています。




日本語での対応が可能なスタッフの配置に関してですが、問い合わせや質問が多そうなレセプション、エクスカーションデスク、スパなどでは、常時日本語対応可のスタッフがいたようにも感じました。これらの場所は、特にきめ細やかな対応を求められるところでもあるので、初めてのクルーズ旅行の方でも安心ですね。

それでも不安があるという方は、各旅行会社のデスクが船内中央のアトリウムあたりに設置されていることが多いので、日本語での丁寧な案内やサポートは、シニア世代の方にとっても頼もしい存在となるはずです。
続いての記事では、私が実際に利用した海側バルコニー客室(キャビン)、朝食・ルームサービス、MSCボヤジャーズクラブ(ロイヤリティプログラム)、「MSCアウレア・スパ」内にあるサーマル・エリアなどを特集するのでお楽しみに!
※掲載写真や文書の無断転載・引用はお断りします
取材協力:ベルーナツーリズム「ゆめやど」
メンバープロフィール

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《 年に一度は、夫婦で海外クルーズ旅行 》 がモットー。バルト海クルーズ船上中、船内チャペルにて挙式。
夫婦で旅好き、夫は総合旅行業務取扱管理者、世界遺産検定1級保持者です。
海外クルーズ取材では、バルト海、地中海、エーゲ海、カリブ海を経験。
20年以上前より個人ウェブサイトやブログを手掛け、現在はライターとして媒体への寄稿掲載を担う傍ら、日本のメディアを代表するブロガー、SNSインフルエンサーとして活躍。
“ 色彩豊かな魅せるカラフル旅 ”が人生のテーマ。音大ピアノ科卒という経歴から、得意とするのはヨーロッパ圏。
10年以上前より各国政府観光局及び航空会社をはじめ様々な国内外大手企業とのタイアップ企画へ数多く参加、受賞経歴も多数有り。