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新卒で旅行会社に入社して以来、旅行業界一筋、気がつけは35年以上が経ちました。
海外旅行の企画や営業、そして私のキャリアの中でもっとも長い期間携わったのが外国客船クルーズ事業です。添乗員として世界100か国以上を旅し、様々な客船にもお客様のお伴で乗船しました。
今回そんな私がプライベートな旅を企画しました。しかも仕事でしか乗船したことがないクルーズ客船の旅。旅のプロが100%プライベートな船旅してみたら、と題してプランニングから乗船体験談までをご紹介したいと思います。
どうしてクルーズ旅行なのか
次の海外旅行はクルーズ( Fly&Cruise )に決めていました。その理由は、3つあります。
1つ目は、夫の退職と私の還暦という節目の年で記念になる旅にしたかったから。
2つ目は、クルーズ客船に乗船しことがない夫にクルーズ旅行を体験してもらいたかったから。
そして3つ目は、私が世界で一番と思っているシーボーンにプライベートで乗船してみたかったからです。


私自身、人生の節目やお祝いごとにクルーズ旅行をお薦めしてきました。これまでお客様の誕生日や結婚記念日、退職や古希の御祝い、金婚式を船上で御祝いしたこともありました。
客船は非日常のイベントを開催する舞台がそろっています。ケーキや花束、部屋の飾りつけなど粋な計らいもお手のものです。船上ではキャプテンやクルー達、その場に居合わせた乗客にも祝福され、一生思い出となります。なので私も人生の節目にはプライベートで船に乗ろう、と決めていました。
どうしてこの航路を選んだのか

今回の航路:「東地中海とエーゲ海の宝石7泊8日」
乗船地:ハイファ(イスラエル)下船地ピレウス、アテネ(ギリシャ)
乗船日:2023年9月10日


主人も私も仕事柄、出張で世界各国を訪問しています。そのため、行ったことのない国に行ってみたかった。観光中心でなくのんびりと過ごせる旅先を選びました。
このクルーズはハイファ(イスラエル)からアテネ(ギリシャ)までエーゲ海に浮かぶ小さな島々やトルコの港町をめぐります。夫はエーゲ海は初めてだったので有名なミコノス島が入っているのも魅力でした。一番の決め手はいつか行きたいと思っていたイスラエルにも行けること。まさに希望通りの航路が見つかりました。
旅行企画のプロとして気を付けている事は、下船後はすぐに帰国する旅程にすること。クルーズ旅行の場合、クルーズが楽しくて下船すると旅が終わった気分になるからです。なので、私たちの旅も先にエルサレムと死海の観光を終えてから乗船できるイスラエル発の航路を選びました。
どうしてシーボーンアンコールを選んだのか
私は30年前からシーボーンをはじめ、シルバーシー社やリージェントセブンシーズ社などラグジュアリークラスの客船を取扱い、乗船もしています。ラグジュアリークラスの客船はクルーズ料金がお高いですが、カジュアルやプレミアム客船と比べるとバリューが高いことを体験していました。だからこそプライベートでクルーズをする時は小さなラグジュアリー客船と決めていました。

その中でなぜシーボーン社を選んだのかというと、同等クラスの客船と比べると料金が安く、クオリティが高いからです。これはホーランドアメリカライン社のグループに入ってからプレミアムクラスの客船会社同様に、変動制を導入し残室状況によってキャンペーンを実施しているからです。世界最高峰のクルーズ客船でありながらお値打ち価格が出ることがあるので狙い目です。
実際に私たちは期間限定のブラックフライデーセール中の特別価格で予約をすることができました。自費ですから慎重にしっかり選びました。今回の一人当たりのクルーズ料金はUS$3314(港湾諸税含む)。
客室カテゴリーはベランダスイート(V2)5階のところ、2カテゴリー無料グレードアップキャンペーンでベランダスイート(V5)上層階7階のやや前方、左舷の客室を確保することができました。シーボーンアンコールは全室バルコニー付きで一部の広いスイートを除き、ほとんどの客室がスイート仕様で同じ広さ、同じサービスとなっています。






乗客と乗組員の比率は贅沢に 1対0.7 で行き届いたサービスが自慢です。また乗客数を抑え、どこに行っても混雑や行列とは無縁です。こじんまりとした客船なので華やかなショーやエンタメ施設はありません。それがシニア世代にはちょうどよくて寛げます。
スモールラグジュアリー客船(オールインクルーシブ、オールスイート)の会社の中で、シーボーン社は客室、食事やサービスの質の高さはもちろんのこと、私は乗客や船内の雰囲気が好きなのです。


旅のプロがプライベートで実感したクルーズの醍醐味
今回の乗船ではクルーズ初心者の夫が一緒だったので、彼の反応がとても気になりました。これまで仕事一筋だった日本人サラリーマンがのんびりとクルーズライフを楽しめるのか?そして、クルーズ業界人である私がプライベートの船旅をはたして楽しめるのか?ドキドキしながら乗船をしました。結論、二人ともめちゃくちゃ楽しむことができました。
私がこれまで「客船に乗ったらやりたいコト」としてみなさまにお薦めしていた事をまずは制覇してみました。
朝日、夕陽を眺める



誰もいないデッキに寝ころび天の川を探す


スパ、サウナで癒される

毎日運動をする(ヨガ)
アフタヌーンティーをいただく

朝食を部屋のバルコニーで食べる


ジャグジーに入りながらシャンパンを飲む

正装をしてレセプションに出席する

仕事で乗船する時は時間がなくて叶わなかったことばかり。実践してみると想像以上に楽しいし、船旅の特権を満喫!旅行中とは思えないほどゆったりとした時間を過ごすことができました。自分でご案内しながら知らなかったクルーズの醍醐味を実体験できました。
特に朝日、夕陽は素晴らしかったです。夜明け前の海は息をのむほどの美しさ、刻々と変化する景色を眺めるため、私たちは毎朝、早起きをして船首最上階のラウンジ(Observation Bar)へ通うのが習慣になりました。
朝日が昇る頃、ラウンジではEarly Morning Riser、早起きの人の為のサービスが始まります。オレンジジュースやヨーグルト、コーヒー、ペイストリーと並んで、シーボーンではシャンパンが登場します。クルーズ中、私の一日は「朝シャン」からスタートとなりました。

こんな密かな大人の楽しみがあるのがシーボーンディファレンス、他社との違いです。もちろんすべて無料。ラウンジはいつも人がまばらで静かなので、ゆっくりと思い思いに過ごすことができます。旅をしながら自分の家のように寛げるなんて最高の贅沢です。


こうして、私たちは寄港地だけでなく、船上での楽しみも満喫しました。
メンバープロフィール

- 東京生まれ。世界中に行ってみたい、と旅行会社に入社。海外旅行業務に携わる。添乗員としてのべ1000名以上のお客様と共に80カ国以上を旅する。クルーズデスク設立後は、海外クルーズ旅行を専門に企画、世界の海や河をクルーズする。その後、外国船社代理店に転職し、客船会社の視点で船旅の魅力や fly & Cruise の楽しさを発信する。現在はフリーのクルーズコーディネイターとして、旅行好きの方々に自分らしい旅づくりのお手伝いや企業向けにはクルーズビジネスのご提案など、お客様と客船会社、旅行会社のベストマッチングをコーディネイト。
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