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旅をこよなく愛するカメラマンNoe*Naoです。
『世界で最も美しい船旅』と呼ばれるフッティルーテンに乗船。
次々と変化していくノルウェーの絶景にただただ感動した旅でした。
この旅に向けて準備したことや、準備段階で知っておいたらよかったと思うこと、ご質問いただいたことについてまとめてみたいと思います。
Q.1 気温や服装について
私は2024年11月中旬に、ベルゲンからキルケネスに向かう北行きの6泊7日のクルーズに参加しました。
天候にもよりますが、ベルゲンから北上するにつれて寒さは厳しくなります。ただ、メキシコ湾流の影響もあり、緯度の割にはそこまで寒くないと言われています。私個人の体感としては日本の北海道くらいで、そこまで寒くない気がしました。
下船するときや、船のデッキにあがるとき(イベントやオーロラ、景色をみるとき)には、ダウンなどの暖かい上着、下にはニットなどを重ね着、靴はスノーブーツ(地面が凍って滑りやすいので、滑りにくい靴か、滑り止めをつけることを推奨)でした。
また、街歩きのときには雪であたりが真っ白になることもあるので、反射材を身につけることを推奨されていました。(船内のショップや町のスーパーに売っています。)
ノルウェーの人々の生活路線でもあるフッティルーテンは、ドレスコードもなく、ドレスアップして参加するイベントもないので、ほとんどの人がカジュアルな装いでした。
Q.2 旅の言語について
船内のアナウンスは、英語、ノルウェー語、フランス語、ドイツ語の4言語でした。
デイリープログラムなどの説明も上記の言語でそれぞれ開催され、開催後には部屋のモニターで事後視聴も可能でした。
そこまで語学力を必要とするシーンはなかったと思うのですが、下船・乗船時間などスケジュールに関する情報は、絶対にきちんと確認をしたほうがよいと思います。(出発の15分前には船に戻る必要があります。寄港タイミングで乗り遅れても待ってもらえません。)
翻訳アプリの活用も有用かと思います。
スケジュールに関しては、運行スケジュールや、イベントの予定が確認できるアプリがあるので、そちらも要チェックです。
寄港地の情報(見所や天気予報)はインフォメーションカウンターにも掲示されています。エクスカーションについても相談できる窓口もあります。
Q.3 持っていってよかったもの / 持っていけばよかったもの
・ウォーターボトル
ノルウェーでは、水道水をそのまま飲むことができます。ペットボトルの水も寄港地のスーパーなどでは購入できますが、物価も高いのでウォーターボトルや、タンブラーがあると便利です。
・洗剤・洗濯ネット
船内にはランドリーがあり自由に利用できました。洗剤はレセプションで購入できます。
洗濯機、乾燥機は混んでいることも多く、すぐ取りに行かないと外に出されて放置されていることも。洗濯ネットに入れておくと、出し入れもスムーズ。万が一外に放置された場合に、恥ずかしい思いは軽減するかもしれません。
乾ききらなかったものを干すのに洗濯ハンガーも持参。私は結構利用しました。(洗濯用のロープは各部屋のシャワー室にあります)
・カードキー用のネックストラップ
各自に渡されるカードにつけるネックストラップがあると便利です。カードは、部屋の鍵としてだけでなく、乗船・下船の管理、食事のチェック、ショップでの買い物時にも必要になります。
・薬
風邪薬や、酔い止めは普段不安がない方も、念のため持参をおすすめします。
普段まったく風邪をひかないのに、風邪をひいてしまい薬がたりず、今後は準備しておこうと思いました。
・ティッシュ
部屋にも船内にもティッシュがないので、多めに持っていくと便利です。(袋タイプのティッシュを持っていきました)
・室内ばき・パジャマ
海外のホテル(船内も含め)では、スリッパ、パジャマなどはないので、持参するとよいと思います。
・乾燥対策グッズ / 保湿グッズ
今回のクルーズでは、ほぼ困ったことはなかったのですが、しいてあげるとすると「乾燥」です。思いのほか乾燥がきつかったので、マスクや、手肌の保湿用品など、乾燥対策のグッズを入念に準備しておけばよかったです。
・忍者レフ
窓からの撮影も楽しめる船の旅。写真が好きな方はぜひ。ガラスの映り込みを軽減できます。船内で撮影していたら、海外のカメラマン何人からもアイテムうらやましがられました。(飛行機の窓にも使えます)
ちなみに、シャンプー兼ボディソープ、コンディショナー、ドライヤー(備え付け)は、部屋にありました。(毎日部屋の掃除やタオル交換はしてもらえます)
Q.4 泊まった部屋について
今回は、母と一緒だったので、ポーラー・アウトサイド(窓付き/スタンダード・キャビン)のツインにしました。
せっかくなので、アークティック・スーペリアにするか迷ったのですが、ツインの指定ができない場合もあるとのことだったので、最終的にポーラー・アウトサイドにしました。
部屋にいながらにして、移り行く大自然を堪能できるので窓付の部屋にしてよかったと思っています。
部屋の備え付けの棚に荷物を収納でき、ベッド下にスーツケースも収納可能です。狭さもあまり感じませんでした。船の出入り口に近い場所だったので、とても便利でした。
Q.5 Wifiについて
船内ではWifiは利用可能でした。基本的に有料ですが、1893アンバサダーと言うリピータープログラムに入れば無料になります。
通信も概ね問題なく、空いた時間に仕事をしたり、日本で留守番をしていた父とのビデオ通話も問題なくできました。
下船して観光にでる時のために、eSIMも契約。どの町でもほぼ困ることなく利用できました。
Q.6 旅の準備について
旅の情報収集は半年以上前くらいから開始しました。
3〜4か月前くらいには、日程や船内の部屋を決定し申し込み。
オーロラを見ることを第一に考えていたので、冬季で長期休暇が取れるタイミングで、値段を鑑み決定しました。
申し込むタイミングによっては、フッティルーテンのキャンペーンなどもあるようなので気になっている方はぜひチェックを。(これまでには、一人部屋無料などや、早期申し込み割引などがあったようです。)
飛行機のチケットやホテルは2か月前くらいに価格の変動状況をみながら決定しました。
飛行機
フッティルーテンの乗船地となるベルゲン、最終地点のキルケネスまでは日本からの直行便はなく、乗り継いでいくこととなります。どの国や都市を経由していくか考えるのも旅の楽しみのひとつ!
・往路:成田ーヘルシンキ(1泊)ーベルゲン(1泊)
・復路:キルケネス(1泊)ーオスロ(1泊)ーロンドンー羽田
母の希望でロンドン経由のルートで帰ってきました。
日本から参加されていた他の方たちは、アムステルダムや、パリ経由を選択されていました。
↑経由で立ち寄ったオスロ
ホテル
宿泊するホテルは、Google mapやホテルの評価サイトを参考に、冬季で暗い時間が長く、雪道の移動もあることを想定し、移動しやすく利便性の高い場所を極力選びました。
Q.7 船内での過ごし方について
船内では思い思いに過ごすことが可能です。
寄港地でも下船し町を散策することも可能ですし、船に残ってゆっくり船内で過ごすことも可能です。
船内には、ジムやサウナ、図書スペースもあります。
船によってジャグジー付の船もあるようですが、私が乗ったトロルフィヨルド号にはジャグジーはありませんでした。(ジャグジー付の船を希望される方は運行表をご確認いただき、ご予約を。)
階によって景色の見え方も違うので、景色の違いを楽しむのもおすすめです。
デッキやバースペースの他にも、各階のちょっとした場所に、椅子や休憩スペースがたくさんありました。人気のあるスペースもあったのかもしれませんが、比較的いつもゆとりがあり利用可能でした。(窓のない部屋の方は、日中はこういうスペースを積極的に活用されているようでした。)
また、船内イベントもたくさんあるので、どちらかというと暇と感じる時間はほぼなく、毎日充実していました。
北極圏通過を祝うセレモニーでは、背中から氷水を入れ、冷たさを味わったあとに度数の高いアルコールで体の心から温まるというチャレンジも。(お酒も、氷水も任意です。)
この日だけの特別な消印を押してもらえたり、特別なシャンパン(有料)を楽しめたりしました。
↑フッティルーテンの姉妹船とすれ違う際には、デッキで旗を振り合うイベントもあります。
↑ノルウェーならではの食材を楽しむ試食イベント
ラムの生ハムやサーモン、フィッシュケーキなどをいただきました。
↑Point of Interest (POI) という、航路上にある観光スポットを通過する際にも、場所の説明などがありました。
Q.8 寄港地での過ごし方について
大小さまざまな港に寄港する、フッティルーテン。
寄港時間はまちまちで、数十分の場所もあれば、数時間滞在の場所もあります。
長く寄港する大きめの港町では、下船し観光することが可能です。
自分で自由に散策も可能ですし、エクスカーションが企画されている場所もあります。
↑トロンハイム
エクスカーションは有料で事前に申し込みが必要なものがほとんどですが、予定していた寄港地に寄れなくなった時などは、他の港でのエクスカーションが用意されたりしました。
今回の旅では、私は母の体力を考慮し、エクスカーションには参加せずにのんびりすごすことが多かったです。
Q.9 一人参加でも大丈夫?
お一人で参加されている方も何人もいらっしゃいました。
食事の時や、船内のいろいろな場所(サウナや、ランドリールーム、エクスカーションなど)で顔を合わせるうちに他の参加者さんと仲良くなることも多く、一人でも寂しい思いはしないのではと思います。
参加されている方たちもとてもフレンドリーな方が多く、気さくに声をかけあっていました。私は写真が好きなので、撮影スポットで仲良くなった他の国からの参加者さんと撮影した写真を見せあったり、情報交換したりしていました。
もちろん、一人の時間をじっくり静かに過ごすのも良い楽しみ方だと思います。
Q.10 船の運行に影響があるような荒天の場合どうなる?
実は、私が乗った便は、乗船と下船の2回荒天でクルーズ参加ができませんでした。
ベテランのクルーの方にお聞きしても一度の便で2回もそんなことが起きることはなかったとのこと。ある意味貴重な体験がもりだくさんの便でした。
一度目はベルゲンからの乗船ができなかったため、乗客全員が飛行機のチャーター便でトロンハイムまで移動して2泊。残念ながらオーレスンには寄港できませんでした。
二度目はホニングスヴォーグに寄港できなくなり、急遽通常寄港しないアルタに寄り、そこから陸路をバスで最終地のキルケネスまで移動しました。
予定地に寄港できなかったことは心残りですが、普段のクルーズでは体験できない経験や景色がみられたことはある意味ラッキーだったかもと思っています。(また来る理由もできました!)
そして何より、通常スケジュール通りの運行ができなかった際には、代替プランとして無料のエクスカーションを用意くださったり、補填もしてくださったので、とても満足しています。
↑天候の都合で急遽寄港したアルタ
Q.11 船酔いについて
船は大型なので揺れをあまり感じなかったのですが、荒天時と、外海を運行する際にはやや揺れが大きくなりました。ある程度揺れが大きくなりそうな箇所は予想できるので、毎日の説明会などで天候含めチェックし、事前に酔い止めを服用したり、窓のある場所や、外気を感じられる場所ですごすとよいかと思います。(酔いやすい方は窓ありの部屋がよいかもしれません。)
時差もあるのと(冬は暗い時間が長く、時間感覚がつかみにくい気がしました。)、旅の疲れ、慣れない食事で、普段船酔いしない人も酔ってしまう場合もあると思うので、留意いただくとよいと思います。
Q.12 クルーズの間にかかった金額
クルーズの期間中は、ほとんどお金を使いませんでした。
船内から出したポストカードなどの送料と、ワイン代くらいでした。
船の食事がおいしく充実しているので、寄港地で食事をすることもほぼありませんでした。トロムソにある最北のビール醸造所でビールを飲んだくらいです。
ちなみに、船内はチップも不要でした。(チップの代わりに、折り紙に感謝のメッセージを書いておいたりしていました。それをきっかけにクルーの方々とも話す機会も増えました。)
ノルウェーでは、クレジットカードでの支払いが主だったので両替もしませんでした。
(有料トイレもクレジットカード払いでした。)
クルーズって高額なイメージがあったのですが、ホテル、移動、食事代を含む費用なので実はとってもリーズナブル。(しかも冬の北欧はオフシーズンで飛行機も安かったです!)
同じ行程をクルーズではなく個人手配した場合、費用も労力も倍近くかかったのではないかと思います。
特に、母と一緒の旅だったので体力的に負担をかけずにすんでとてもありがたかったです。
さいごに
最後までお読みいただきありがとうございます。
いつか叶えたい夢になりがちな、オーロラクルーズ。私もそうでした。
そんなオーロラクルーズは、行こうと思えば遠い憧れではなく、手の届く夢だと思っています。クルーズ参加を夢見るみなさんの背中を少しでも押せたら、クルーズを少しでも身近に感じていただけたらとっても嬉しいです。
みなさまの旅も、素敵な旅になりますように・・・
旅の基本情報に関しては、別の記事にまとめていますのでよろしければそちらもご覧ください。
取材協力:フッティルーテン
メンバープロフィール
- 旅をこよなく愛するカメラマン。初めてのひとり旅は15歳でシンガポール。以来、海外の僻地長期滞在や、バックパッカーを経て、現在はラグジュアリーなホテル滞在や、地域をのんびり丁寧に旅をする上質な時間を味わう旅のスタイルにシフト中。旅と写真でご縁をつなげていけたらと思っています。