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金沢港から始まるクルーズ旅。その前後の時間を、金沢ならではの美食や伝統工芸、そして文化に彩られた贅沢なひとときで過ごしてみませんか?金沢港クルーズターミナルから金沢駅までは、バスで約30分。観光地がコンパクトにまとまっているので、移動の時間も無駄なく、金沢の魅力をしっかりと感じることができるでしょう。
今回は、金沢の奥深さを存分に味わえる1泊2日のモデルプランをご提案。金沢発着のクルーズ旅とあわせて、金沢観光も楽しんでくださいね。
「見城亭」で金沢らしいランチを
兼六園のそばに静かに佇む「兼六園茶屋 見城亭」。1913年に誕生したこの茶屋は、歴史を重ねながら、2019年に世界的建築家・隈研吾氏の手で新たな命を吹き込まれました。木の温もりと柔らかな光が織りなす空間は、どこかほっとする心地よさに包まれています。
1階はカフェ、2階では食事が楽しめるこの場所でランチに選んだのは、「金沢の宝石箱」。
加賀百万石のお殿様の園遊弁当がモチーフになっている塗りのお箱を開くと、九谷焼の器に美しく盛り付けられた彩り豊かな料理たちが顔をのぞかせます。
口取、造り、煮物、ご飯。どれもが料理長の手仕事が光ったメニューです。 金沢の郷土料理「治部煮」をはじめ、新鮮な地の物の魚介、そして、石川県のブランド米「ひゃくまん穀」のお米を使ったご飯など、季節の香りをゆっくり楽しめる内容に。
ひと口頬張れば、丁寧に仕上げられた深い味わいが広がり、地元の素材へのこだわりがしみじみと伝わってきます。目で楽しみ、香りに癒され、舌で感動するーそんな五感で味わう贅沢なひととき。金沢の風土が詰まった特別なランチで、満ち足りた時間を締めくくりました。
全200色の水引が美しい「自遊花人水引ミュージアム」
2023年4月にオープンした「自遊花人水引ミュージアム」は、水引の魅力を存分に楽しめる特別な空間。「自遊花人」のオリジナル水引「四季の糸」全200色を使ったランプシェードが作り出す光の演出は圧巻です。柔らかな光とカラフルな水引が織りなす幻想的な空間は、まさに写真映え抜群。
お庭を背景に撮影したり、机に映るリフレクションで幻想的な1枚を狙ったり……その美しさに心を奪われ、ついシャッターを切る手が止まりません。
よく目を凝らすと“隠れ水引”がひっそりと佇んでいます。そのさりげない存在感が、まるで宝探しのようなワクワク感を演出。見つけた瞬間、思わず笑顔がこぼれる――そんな小さな喜びも、この空間ならではの魅力です。
ミュージアムで水引の美しさに触れた後は、オリジナルの水引お土産を選ぶ楽しみもお忘れなく!キーホルダーやネックレス、インテリアグッズなど、どれも職人が1つ1つ丁寧に手作りしたものです。
店内でひそかな注目を集める「水引ガチャ」。何が出るかわからないドキドキ感が、訪れる人々を虜にしています。1回だけでは物足りず、2回目、3回目と挑戦を重ねる方も多いのだとか。
水引ガチャは1回1,500円。なかには1万円以上の価値があるアイテムが当たることも!ネックレスやイヤーアクセサリー、リング、ヘアアクセサリーなど、どれも水引の美しさと現代のセンスが光るデザインばかりです。
「武家屋敷跡 野村家」で静寂に浸る時間
石畳や土塀が連なる長町武家屋敷跡は、江戸時代の面影を色濃く残す金沢の歴史スポット。そのなかでも「武家屋敷跡 野村家」は一般公開されている施設のひとつです。格式高い建物と、風情豊かな庭園が見事に調和し、訪れる人々を静かな時の流れへと誘います。
庭園に足を踏み入れると、水の音が静かに響き、まるで外界と切り離されたような感覚に。四季折々に美しく彩られる庭は、どの季節に訪れても新たな発見があり、心を和ませてくれます。
「atelier & gallery creava」で九谷焼アクセサリー体験
長町武家屋敷界隈の一角にひっそりと佇む「creava(クリーヴァ)」は、蔵を改装した趣あふれる複合型アート施設です。ギャラリーや陶芸工房、ショップ&カフェ、ワークショップスペース、そしてレストラン「海月が雲になる日」が一つの空間に集います。
常設ショップでは、器やアクセサリーなどの小物を中心に、地元の若手作家たちが手がけた作品がずらり。どれも日常使いしやすいデザインでありながら、手仕事の温もりが感じられる逸品ばかり。お手頃な価格で購入できるのも嬉しいポイントです。
併設のアトリエでは、九谷焼の絵具と生地で制作した工房オリジナルの「九谷焼ビーズ」を使って、アクセサリーを制作できます。予約なしで楽しめるので、ふらりと立ち寄ることができるのがうれしいポイント。旅の途中で気軽に挑戦できるのが嬉しいポイントです。
まずはアクセサリーの土台と、色鮮やかな九谷ビーズの中からお気に入りのパーツを選びます。豊かな色彩に目移りしながら、自分だけのデザインを考える時間もワクワク。その後はスタッフが丁寧に仕上げてくれて、プラス30分ほどで完成品が手元に。完成品は24時間後から使用可能なので、お土産やプレゼントにもぴったりです。
夕食は、食を通して石川の伝統工芸の魅力を味わえる「CRAFEAT」へ
店名である「CRAFEAT」は、「CRAFT(工芸)」と「EAT(食べる)」を掛け合わせた造語。その名の通り、ここでは食事を通して石川県が誇る伝統工芸の魅力を体感できます。プロデュースを手掛けるのは、輪島塗漆器の老舗専門店「田谷漆器店」。料理の美味しさだけでなく、輪島塗のお重や器に触れられる貴重な機会です。
1階は気軽に立ち寄れるカジュアルな空間で、アラカルトや石川の地酒を楽しめます。2階は会員制ながらビジターも利用可能な特別な空間。
今回は、気軽に楽しめる1階席に立ち寄りました。驚かされたのは、まず最初に提供されたお通し。なんと20万円ほどもする輪島塗のお重に、石川県産の野菜を使った前菜が美しく盛り付けられていました。その上、これで480円という価格に思わず感嘆!
ぜひオーダーしてほしいのが、「本日のお刺身 玉手箱仕立て」。お重のふたを開けた瞬間、もくもくもくと立ちのぼるスモークが、まるで玉手箱を開けたようなワクワク感を演出します。
スモークの中から顔を出すのは、加賀棒茶で瞬間燻製された魚たち。お刺身に燻製の香りがやわらかくまとい、一口食べれば風味豊かな味わいが口いっぱいに広がります。加賀棒茶のほのかな香ばしさがアクセントとなり、食べるたびに幸せな気持ちに。
クラフィートで味わえるのは、進化系のおでん。“味のしみこんだおでん”をさらに楽しむための、こだわりの食べ方が用意されています。食材と調味料を掛け合わせるユニークなスタイルで、ひと口ごとに新しい味の発見が。
なかでもおすすめは、「半熟たまご×トリュフオイル」。半熟たまごに注射器でトリュフオイルをしみ込ませる瞬間からワクワクが止まりません。一口食べると、濃厚な卵の旨みとトリュフの香りが絶妙に絡み合い、思わず笑顔がこぼれるおいしさです。
おいしい夕食で満たされた後は、金沢の趣ある宿でゆったりと過ごしましょう。
金沢らしい和の空間で静寂を楽しむもよし、モダンなデザインホテルで快適なひとときを過ごすもよし。金沢での特別な1日を振り返りながら、心も体もリラックスして眠りにつきます。
「鈴木大拙館」で心身を整える
金沢が生んだ仏教哲学者・鈴木大拙の思想や足跡を伝えるために作られた「鈴木大拙館」。訪れる人が静けさの中で自らと向き合う、特別なひとときを過ごせる場所です。
館内は「展示空間」「学習空間」「思索空間」の3つのエリアが回廊で結ばれ、それぞれの空間が穏やかな時間へと誘います。「玄関の庭」「露地の庭」「水鏡の庭」と名付けられた3つの庭は、それぞれ異なる趣を持ち、中でも「水鏡の庭」は、静かな水面に空や木々が映り込む神秘的な美しさが印象的です。
金沢の静寂と調和が生み出す、癒しのひとときをぜひ感じてみてください。
ランチは「CARLO CENTRO」で金澤ピッツァを
2日目のランチに訪れたのは、金沢の中心・片町きらら2Fにあるイタリアンダイニング。生ライブ演奏を聴きながら、本格的な金澤ピッツァを堪能できるおしゃれな空間です。
おすすめは選べる「Pizza Lunch」。 イタリア直輸入の小麦粉と本格ピザ窯で焼き上げるピッツァです。 金沢ならではの地元食材を使ったメニューも充実しており、ここでしか味わえない特別な一皿に出会えます。
さらに、ハーフ&ハーフで好きなピッツァを組み合わせられるのも嬉しいポイント。 軽めの生地なので、最後までぺろりと食べられる満足感たっぷりのランチタイムでした。
金沢の伝統工芸と美食が織り成す時間は、日常の喧騒を忘れさせ、心に残る贅沢なひとときを提供してくれます。金沢港を拠点に、クルーズ旅とともに金沢を巡れば、旅がさらに深みを増すことでしょう。次の旅先に、ぜひ金沢を加え、金沢発着のクルーズ旅で特別なひとときをお楽しみください。
執筆:土屋香奈
取材協力:一般社団法人金沢港振興協会
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