【ノールダム】美食を味わい、音とアートを愛でるクルーズ船

2024年10月29日、大阪港に停泊中の「ノールダム」で開催された船内見学会に参加しました。音楽とアートがあふれ、美食も堪能できるプレミアム客船をたっぷり紹介します。

ホーランドアメリカライン「ノールダム」とは


1873年にオランダで創業され、現在は本社を米国シアトルに置く「ホーランドアメリカライン(Holland America Line)」。そんな歴史あるクルーズ会社が保有する東西南北シリーズ(ビスタクラス)の4船は「オーステルダム」「ウエステルダム」「ザイデルダム」「ノールダム」で構成されています。

今回は、2024年10月に初来日を果たした「ノールダム」をご紹介。オランダ語で「北」を意味する「Noorden」とホーランドアメリカライン伝統の船名「〇〇ダム」を組み合わせた名前のクルーズ船は、煌びやかな内装が印象的です。

旅に色を添える「音楽」と「美術」


ホーランドアメリカラインの客船を紹介するうえで外せないのが、文化や芸術。船内で触れ合う機会が多い音楽や美術が、洋上の旅を盛り上げてくれます。


たとえば、ビルボード社と提携している「ビルボード・オンボード」では、2台のグランドピアノを使用してビルボードチャートから名曲の弾き語りを開催。「ミュージック・ウォークⓇ 」と名付けられた同社ならではのパフォーマンスは、本格的な音楽ライブが特徴です。


また、音楽雑誌を展開する「ローリングストーン社」と提携した「ローリングストーンラウンジ」も併設。この日はクラシック・ロック&ロールや、80年代のロックミュージックが予定されていました。


音楽はただのBGMではなく、主役のエンターテインメント。ホーランドアメリカラインならではの音楽ライフを満喫できそうです。


ほかにも、船内最大の劇場「ワールドステージ」では多彩なショーやパフォーマンスが開催され、中長期の旅でも飽きることはありません。

また、船内を彩る数々のアートも注目したいポイント。アムステルダム国立博物館とのパートナーシップ協定によって、1,300点以上もの作品展示が実現しています。長くクルーズファンから「洋上の美術館」と称される空間が、旅に華を添えてくれるでしょう。

ゲストをもてなす美食レストラン

ノールダムの鍵のひとつ、「美食」。食事にこだわるゲストに選ばれる船には、一体どのようなダイニング施設があるのでしょうか。いくつかピックアップしてご紹介します。

ザ・ダイニング・ルーム


「ザ・ダイニング・ルーム」は、朝食・ランチ・ディナーを展開するメインダイニング。乗船前に確約できる予約サービスは2部制です(1回目:17:30〜18:00頃開始、2回目:19:30〜20:00頃開始)。2フロアにたくさんの座席を有しているので、予約なしでも空席があればウォークインで利用できるオープンシーティングを採用しています。


大規模レストランですが、国際的な美食団体「ラ・シェーヌ・デ・ロティスール協会」に所属するシェフ監修の食事などが味わえる本格派です。

ピナクルグリル


船内で一番ラグジュアリーな「ピナクルグリル」は、完全予約制の有料ダイニング。ワインリストやスタッフレベルも他とは一線を画すもので、優雅なひとときを過ごすことができます。


新鮮なシーフードや、アメリカ・ワシントン州のDouble R牧場で育てられたビーフを使用したステーキを使用したメニューを得意とし、お祝いなどのシーンにもぴったりな特別感のあるレストランです。

リドマーケット


カジュアルに楽しみたいなら、ブッフェレストランの「リドマーケット」がおすすめ。船内ブッフェのイメージといえば「お手軽さ重視」で「味は二の次」という印象を持っている人もいるのでは。


「リドマーケット」には、そのようなイメージを覆す本格的な逸品が揃います。ときにはメインダイニングと同じメニューが並ぶこともあるようで、質の高さには自信がある様子。店内の大きなカウンターは彩りに満ちあふれ、世界中の食文化がぎゅっと凝縮されています。


洋食のみならず、日本人にとって安心できる和食も鎮座。ちなみに、ブッフェといえどもスタッフがお皿によそってくれます。

また、たとえばアラスカを巡るクルーズ中に大量のサーモンを船内に詰め込み、当日のディナーにはシーフード盛りだくさんのサラダボウルが並ぶことも。その地ならではの食のエンタメを取り入れた企画は、ゲストに好評のようです。

カナレット / タマリンド


ブッフェレストラン「リドマーケット」の傍に構えるのは、イタリアンレストラン「カナレット」。ローストポークのサルティンボッカや、リコッタチーズのラビオリなどがメニューの一例として紹介されています。ひと皿にボリュームがあるので、同行者とシェアしながら楽しむのがおすすめ。

また、こちらのレストランは日によってアジアンダイニング「タマリンド」として営業。日本、中国、そして東南アジアのさまざまな食文化をミックスした料理が楽しめます。アルコールメニューには日本酒もラインアップされているので、ワインやビールが続く日々の気分転換にも。

「カナレット」「タマリンド」ともに予約制の有料ダイニングです。

ウェルネスライフで船旅の効能を感じる

ウェルネスエリアは、ゲストの健康をサポートし、ヘルシーな船内ライフを送るのに欠かせない場所です。


天気のよい日に立ち寄りたい屋外の「シービュー・プール」は、出航パーティーなどのシーンにも使われます。太陽の光と洋上の風に包まれながら、心も体も小休止できる時間は格別なもの。


季節や天気を問わずに使える全天候型の「リドプール」も併設しています。開閉式の屋根があり、航路による制限も心配ありません。


また、プールサイドの「ダイブイン」では、ボリューミーなブリオッシュバーガーやホットドッグ、揚げたてのフライドポテトのオーダーも。カクテルやビールとあわせて、気ままな時間を過ごしてみてもよいですね。


「フィットネスセンター」では、充実したマシーンが日々のトレーニングをサポートします。ときにはエアロビクスやヨガなどのクラスに参加することで気分転換にもなり、さらなる爽快感を味わえるかも。


スパエリアも充実しているノールダム。有料の「ザ・グリーンハウス スパ&サロン」内に完備された「ハイドロセラピープール」は、水のちからによって全身のマッサージ効果に期待できる施設。微量元素とビタミンを含む海水の泡による温水でゆったりリラックスできます。


さらに非日常感を味わいたい人には、トルコの浴場を彷彿させる「サーマル・スイート」がおすすめ。海を眺めながらあたたかなリクライニングチェアの上に横たわれば、体の芯からポカポカに。とくに寒い地域を巡る航路で人気だというのも頷けます。


ドレスアップしたい日に立ち寄りたい「ヘアー&ネイルサロン」や、ホットストーンマッサージなどが受けられる「トリートメントルーム」もあります。

ホリスティックな船旅を通して、心身とも整っていく感覚を味わってみては。

旅を彩るさまざまな施設

ここからは、快適なクルージングを盛り上げてくれる多彩な施設をご紹介。

クロウズネスト


オブザベーションデッキの船首に位置する「クロウズネスト」は、270度のパノラマビューが自慢のラウンジ。チェスやボードゲームなども用意されているので、カジュアルに使える憩いの場です。

エクスプローラーズ・ラウンジ


ゆったりと落ち着いた空間の「エクスプローラーズ・ラウンジ」。この日は大きな生花の装飾が飾られていたのが印象的でした。

ピナクルバー


船内トップののラグジュアリーダイニング「ピナクルグリル」の正面に位置する「ピナクルバー」もまた、船内で一番ゴージャスなバー・ラウンジ。ドレスアップして特別なディナーの前後に立ち寄りたい場所です。

エクスプロラレーションズ・カフェ


コーヒーや紅茶と一緒に、サンドイッチなどの軽食も味わえる「エクスプロラレーションズ・カフェ」。人気書籍や旅行ガイドブックなどが並ぶライブラリーも併設されています。


窓からナチュラルライトが差し込み、くつろぎのひとときが過ごせそうです。

ネプチューンラウンジ


上級客室「ピナクルスイート」と「ネプチューンスイート」に滞在しているゲスト専用の「ネプチューンラウンジ」。プライベート感があり、混み合う心配もありません。


パンやカナッペ、プチスイーツなどの軽食も並び、コンシェルジュが上質な旅をサポートしてくれます。カクテルパーティーが開催され、ゲスト同士の社交場として使われることも。

カジノ


スロットマシン、ブラックジャック、ポーカーなど、さまざまなゲームが楽しめる「カジノ」のコーナー。初心者のゲストもトライできるよう、ディーラーが無料でレクチャーしてくれるので安心です。

ショップ


免税ショッピングが楽しめる「ショップ」には、ウォッチやジュエリーなどのラグジュアリーな装飾品も並びます。クルーズの思い出にぴったりな記念の品が見つかるかも。


もちろん、日常的に使えそうな衣服やサングラス、バッグなども充実しています。注目したいのはホーランドアメリカラインのロゴ入りグッズ。お土産にも喜ばれそうですね。

船内では「オレンジパーティー」と言って、オレンジ色を身に着けて夜のひと時を過ごす日があり、その日のためのオレンジ色のアイテムも購入できます。

クラブ・ハル


ファミリーフレンドリーなノールダムの旅では、3〜17歳までの子ども向けのプログラム「クラブ・ハル」が用意されています。


クラス分けは、3〜6歳の「キッズプログラム」、7〜12歳の「トゥイーンズプログラム」、13〜17歳の「ティーンズプログラム」。幼児期の発達など該当分野の学位を持ち、専門的な訓練を受けた専任スタッフがイベント参加をサポートします。室内に大人ゲストは入ることができないので、同年代の子どもたちだけで特別な時間を過ごすことができるでしょう。英語のプログラムは、まるでプチ留学のような経験にもなりそうです。

「洋上の美術館」快適な船内ライフを送るために

ノールダムの旅では、有料ドリンクパッケージやWi-Fiパッケージがセットになったお得な「HAVE IT ALL」パッケージや、スイートルーム以外のゲストもスイート並みの優先権を受けられるオプション「クラブ・オレンジ」などを追加で申し込めます。複数の選択肢からそれぞれの旅に合わせてカスタマイズすることで、さらに快適なクルーズの旅を実現できるでしょう。

旅計画のススメ!憧れの地へ出かけよう
ノールダムは2025年の春~秋に掛けて、アラスカのランド&シーに配船されます。
▷春:冬が明けた氷河が一番綺麗な時期
▷夏:迫力ある氷河の崩落
▷秋:紅葉黄葉、冬眠前の熊がサーモンを狩るシーンに出会うチャンス、デナリやユーコンでオーロラチャンス

ノールダム 2025年の春~秋 アラスカのランド&シー
姉妹船 ウエステルダム 2025年秋と2026年春 日本発着は日本人コーディネーターが乗船!

※掲載写真や文書の無断転載・引用はご連慮ください。

取材協力:ホーランドアメリカライン
ホーランドアメリカライン日本地区販売代理店 セブンシーズリレーションズ株式会社

メンバープロフィール

其田 雪花
其田 雪花
ライター。大手旅行会社や外資系ラグジュアリーホテル、広報職に勤めた過去の経験を生かし、旅、ホテル、空港、グルメなど、観光業界にまつわる記事の取材・執筆を複数メディアで行っている。また、企業のプレスリリース執筆や公式SNS運用にも従事。未知の場所でまだ見ぬ景色に刺激を受けることこそ旅の醍醐味とも言えるが、馴染みのあるお気に入りの場所をリピートするのも好き。とくにハワイと韓国には何度も訪れている。兵庫県在住で神戸港が身近にあることが、クルーズに興味を持ったきっかけ。

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