金沢港周辺おすすめ観光スポットへ。クルーズ前後に楽しみたい、金石・大野の寄り道案内

こんにちは。トラベルフォトライターの土屋香奈です。
クルーズ旅の楽しみは、船に乗っている時間だけではありません。乗船前の少し高まる時間も、下船後の余韻に浸るひとときも、その土地ならではの風景や味に出会えたら、旅はもっと印象深いものになります。

金沢市内へ足を延ばすのももちろんよいですが、クルーズで金沢港に来たからこそ、その周辺をゆっくり楽しんでみるのもおすすめです。海の気配がすぐそばにあって、港町の暮らしや食、文化にふれられる時間は、街なかを巡る旅とはまた少し違う魅力があります。

今回は、金沢港クルーズターミナル周辺で立ち寄りたいおすすめスポットを、金石エリア大野エリアに分けてご紹介します。

散策はシェアサイクル「まちのり」がおすすめ


金沢港クルーズターミナルから大野・金石をめぐるなら、シェアサイクルの「まちのり」が便利でした。電動アシスト付きで気軽に移動でき、別のポートに返せるので、港まちらしい寄り道旅にもぴったり。気になるお店や路地にふらりと立ち寄れるのも、自転車ならではの楽しさでした。

まず立ち寄りたい、金沢港すぐの「金沢港いきいき魚市」

金沢で市場といえば近江町市場がよく知られていますが、金沢港周辺で立ち寄るなら「金沢港いきいき魚市」もおすすめです。金沢港クルーズターミナルから徒歩10分ほどと近く、下船後や乗船前にも立ち寄りやすいスポットです。

市場に並ぶのは、金沢市近郊の港で水揚げされた新鮮な魚介たち。加能ガニや香箱ガニ、のどぐろ、岩ガキ、寒ブリ、甘エビなど、その季節ならではの地物がずらりと並び、市場を歩いているだけでも気分が高まります。


特筆すべきは、石川県内の漁港で水揚げされた魚が金沢港に集まり、競りを終えたばかりの鮮魚に出会えること。種類が豊富で、見ているだけでも港町らしい活気が伝わってきます。漁師さんや産地仲買人さんが直接販売しているため、余計な流通を挟まないぶん、鮮度のよい魚介を手に取りやすい価格で購入できるのも魅力です。


観光市場というより、地元の人たちの台所に少しおじゃまするような空気があるのも、この場所ならでは。


購入した鮮魚をその場でさばいてもらい、イートインコーナーで味わえるのもうれしいポイントです。私は岩ガキ、甘エビ、ウニを選び、その場でいただいたのですが、どれも驚くほど新鮮で、素材そのもののおいしさを直に味わえる贅沢がありました。


土日には海鮮丼やお寿司が並ぶことも多く、リーズナブルに金沢港ならではのおいしさを味わえるのも足を運びたくなる理由のひとつです。

大野エリアで出会う、文化と発酵の楽しみ

大野は、北前船の歴史と発酵文化が今も息づく港町。醤油蔵が点在し、歩いていると、この町ならではの落ち着いた空気が感じられます。明治や大正の面影を残す建物もあり、どこか懐かしい雰囲気。蔵を生かしたカフェやギャラリーも点在していて、ゆっくり歩きたくなる町です。

船の上から眺める、大野の港町風景


金沢港クルーズターミナルを出港するときも、入港するときも、船の上から大野の街並みを眺められます。「ヤマト・糀パーク」や「大野からくり記念館」など、港町らしい風景が少しずつ見えてくる時間も、金沢港発着クルーズならではの楽しみのひとつ。船の上から、ぜひ探してみてくださいね。

ヤマト・糀パーク


大野で立ち寄った「ヤマト・糀パーク」は、発酵の魅力を、見て、触れて、味わって楽しめる場所でした。醤油や味噌、甘酒などを試せる「ひしほ蔵」、発酵食ランチがいただける「発酵食美人食堂」、ワークショップや見学を楽しめる「糀蔵」などが並び、歩きながら自然と発酵の世界にふれていけるのが魅力です。

「糀パークツアー(手湯体験付)」


なかでも楽しみにしていたのが、無料で参加できる「糀パークツアー」。予約不要で当日でも参加できる気軽さがうれしいポイントです。大きな木桶が並ぶ「糀蔵」は迫力があり、スタッフの方の案内を聞きながら発酵食品やヤマト醤油味噌の歴史にふれていく時間は、想像以上に興味深いものでした。知識として学ぶというより、日々の食卓につながるものとして発酵を身近に感じられる体験です。


そして、ツアーには糀手湯の体験もついています。手を入れた瞬間に、ほっとするようなやわらかいぬくもりが広がって、手がしっとり、すべすべに。短い時間でも、発酵のやさしさが肌からすっと伝わってくるようでした。

「糀パークツアー(手湯体験付)」
平日:2回開催(11:00、14:00)
土日祝:3回開催(11:00、13:00、14:00)
定休日:毎週水曜、年末年始
料金:無料
※予約不要(ひしほ蔵レジで当日受付)/10名以上の団体は要予約

「みそぼーる作り体験」


気軽に楽しめる体験として、「みそぼーる作り体験」も人気です。ヤマトの味噌を使って作るみそぼーるは、20分ほどで気軽に体験できるのに、味わいは本格的。


味噌とだし、乾燥具材を合わせ、ころんと丸めて青のりやお麩で仕上げていく時間は、毎日のお味噌汁を自分の手で整えていくような楽しさがあります。


手のひらサイズのケースに入れて持ち帰れるので、おみやげにもぴったりです

「みそぼーる作り体験」
平日:11:40〜(第2金曜はお休み)
土日祝:11:40〜、14:30~(2回開催)
定休日:毎週水曜、年末年始
料金:お一人様1,320円(税込・おみやげ付)
定員/6名
※予約不要(ひしほ蔵レジで当日受付)/3名以上は要予約(3日前まで)

金沢チーズケーキ専門店「こめトはな」


敷地内にある金沢チーズケーキ専門店「こめトはな」も、思わず立ち寄りたくなる一軒でした。味噌や醤油づくりで培ってきた発酵の技術を生かしてつくられるチーズケーキは、ひと口食べると、チーズのコクの奥に糀のやさしい甘みがふわり。


看板商品のブリュレタイプのベイクドチーズケーキは、表面の香ばしさととろけるような口どけのバランスも絶妙で、ひと休みのお共にもにぴったりでした。

しょうゆソフト


「ひしほ蔵」でいただけるヤマト醤油味噌でいただいた醤油ソフトクリームも、おいしい驚きがあるひと品でした。ひと口食べると、ミルクのやさしい甘さのあとに醤油の香ばしさがふわり。甘じょっぱさのバランスが絶妙で、発酵のまちらしい余韻まで楽しめる味わいでした。

大野からくり記念館


江戸時代、幕末に活躍した大野町ゆかりのからくり師・大野弁吉にちなんだ記念館で、館内ではからくりの世界を楽しくのぞくことができます。


まず印象に残るのが、北前船をイメージしてつくられたというユニークな建物。楕円形のフォルムに、傾斜した柱や放射状の梁が重なり、建物そのものがまるでからくりのよう。思わず外観までじっくり眺めたくなる、おしゃれな建築です。


館内に入ってすぐのロビーでは、1日4回、からくり人形の実演「茶運び人形」が行われています。ぜんまい仕掛けで動く江戸時代のからくり人形で、あらかじめ進む距離を設定できるのだとか。西洋時計の技術も取り入れられているそうで、昔の人の知恵と技術の細やかさに思わず見入ってしまいました。


展示を見るだけでなく、実際に体験できるのもこの記念館の魅力。パズルコーナーには、木工作品のおもちゃやからくり仕掛けのアイテムが並び、実際に手で触れて遊ぶことができます。引き出しを開けるだけでもひと工夫が必要だったりして、これが思った以上に頭を使う。気づけば大人でも夢中になってしまうおもしろさがありました。

金石エリアで楽しむ、港町らしい寄り道

金石は、かつて金沢の海の玄関口として栄えた港町。北前船が行き交った歴史を持ちながら、今もどこか気取らない空気が流れていて、海の気配や人の暮らしがすぐそばに感じられます。

お味噌汁食堂そらみそ 金石店


金石で立ち寄った「お味噌汁食堂そらみそ 金石店」は、お味噌汁とおむすびを中心に楽しめる食堂です。地元の味噌や食材を使った一食を、肩ひじ張らずに味わえるのが魅力です。


いただいたのは、お味噌汁とおむすび2個をそれぞれ好みで選べる、人気の「そらみそ定食」。「港町のめった汁 味噌豚の炙りのせ」と、「とろろ梅」「ふぐの子クリームチーズ」のおむすびを選びました。


めった汁は具だくさんで、味噌の旨みがじんわりと広がる一杯。炙った味噌豚の香ばしさが加わることで、やさしいだけでは終わらない満足感がありました。

おむすびは、ふっくらとやさしく握られていて、お米のおいしさが素直に伝わってきます。「とろろ梅」はさっぱりと軽やかに、「ふぐの子クリームチーズ」はほどよい塩気とまろやかさが重なり、金沢らしい味わいを楽しめました。

Ten riverside(テンリバーサイド)


金石で静かな時間を過ごしたくなったら、立ち寄りたいのが「Ten riverside(テンリバーサイド)」。川沿いの築80年以上の倉庫をリノベーションしたカフェで、特徴的な三角屋根の建物が目を引きます。金石らしい穏やかな風景のなかで、香り高い金棒茶をゆっくり楽しめる一軒です。


店内に入ると、大きな窓の向こうには緑に包まれた川岸が広がり、景色を眺めているだけで気持ちまでふっとほどけていくよう。なかでも窓際のカウンター席は特等席で、水面のきらめきや穏やかな流れを眺めながら、思い思いの時間を過ごしたくなります。


おすすめの「黄金の棒ほうじ茶」は、金石で古くから親しまれてきた棒茶をもとにしたもの。厳選した茶葉を焦がさないよう丁寧に火入れし、自家焙煎することで、香ばしさのなかにやさしい深みを感じる味わいに仕上げられています。さらに、サイフォンで高温抽出することで、その豊かな香りがいっそう際立ちます。

器は、魚津悠さんの「融点」シリーズ。釉薬がたらりと流れた表情が印象的で、一杯のお茶の時間をより特別なものにしてくれました。


「黄金の棒ほうじ茶」とともにいただいたのは、「ほうじ茶のテリーヌ」。自家焙煎のほうじ茶を粉末にし、ホワイトチョコレートと合わせた濃厚なチョコテリーヌで、ひと口ごとにほうじ茶の香ばしさがしっかりと広がります。ほうじ茶好きの私には、たまらないおいしさでした。

金沢温泉 金石荘


クルーズ旅というと、優雅でゆったりとした時間を思い浮かべる方も多いかもしれません。けれど実際は、船内を歩き回ったり、寄港地で観光を楽しんだりと、想像以上に体を使うもの。楽しい旅のあとほど、足腰にじんわり疲れがたまっていることがあります。


そんなときに立ち寄りたいのが、知る人ぞ知る港町の温泉銭湯「金沢温泉 金石荘」です。


地下1300メートルから毎分360リットル湧き出す、64.3度の源泉かけ流しで、緑がかった湯色が印象的な塩化ナトリウムを含む天然温泉。さらに、天然の保湿成分「メタケイ酸」を128mg含むのも特徴です。化粧品にも使われる成分で、50mg以上が目安とされるなか、それを大きく上回る数値。湯に浸かっていると、まるでやわらかな化粧水に全身を包まれているような心地よさがあります。


実際に、金沢港発着2泊3日の「にっぽん丸」クルーズの下船後に立ち寄ったのですが、旅の疲れがすっとほどけていくようでした。体の芯からしっかり温まり、湯上がりは全身がふわっと軽くなるような感覚。肌もしっとりなめらかで、水風呂との交互浴を楽しめるのもうれしいところです。まるでサウナでととのったあとのような、すっきりとした心地よさがありました。


お風呂上がりには、今ではすっかり見かける機会が少なくなった瓶の牛乳を味わうのも楽しみのひとつです。


さらに、2022年4月からは2階の10部屋がリニューアルされ、素泊まりでの宿泊も可能に。五郎島金時(加賀伝統野菜に認定されたブランドさつまいも)、加賀友禅、千里浜など、石川県にちなんだテーマのお部屋がそろい、色合いもそれぞれ異なっていてかわいらしい空間です。


湯治で宿泊される方もいるそうで、1泊6000円という気軽に泊まりやすい価格帯もうれしいポイント。クルーズ前後の宿泊先としてもおすすめです。

金沢港周辺は、クルーズ旅だからこそ楽しみたい


金沢市内へ出かけるのももちろんいいけれど、クルーズで金沢港に来たからこそ、その周辺をゆっくり楽しんでみたくなります。海の気配がすぐそばにあって、港町の暮らしや食、文化にふれられる時間は、街なかを巡る旅とはまた少し違う魅力があります。

金沢港周辺には、海の幸を気軽に味わえる市場、港町らしいやさしい食堂、心と体をゆるめてくれる温泉、静かな時間に浸れるカフェ、そして土地の文化や発酵にふれられるスポットがそろっています。

乗船前の高まる気持ちに寄り添ってくれる場所もあれば、下船後の余韻をやさしく受け止めてくれる場所もある。金石や大野には、観光地を巡るだけでは出会えない、港町の日常の延長にあるような魅力が息づいていました。

クルーズの前後に少し時間があるなら、ぜひ金沢港のまわりをゆっくり歩いてみてください。旅の満足度を、もう一段深くしてくれる寄り道に出会えるはずです。

取材協力:一般社団法人金沢港振興協会

メンバープロフィール

土屋香奈
土屋香奈
大学時代に観光を学び、旅を発信する楽しさを覚える。現在は、女子旅メインとしたトラベルフォトライターとして活動。その他にも編集者、フォトグラファー、インフルエンサーなど多岐に渡り活動中。地元金沢では、いしかわ観光特使を委嘱。SNS講座やトラベルライターの講師なども務める。旅番組のテレビ出演も多数。クルーズにハマったきっかけは、取材で海外発着のクルーズに行ったこと。



取材のお問合せは下記アドレスまで

admin@cruise-ism.com

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